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寺中
「寺中〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
寺中の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
ま《ミンチ・フツクツ》、|おう、蓮芯の賓石よ《オムマニ・バートメ》、南無――と、
寺中が総出のさわぎだった。探検隊がそれに相当の寄進をしたので、午後、隊のための祈....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、五寸で、俗に菅糸《すがいと》という極めて細いものであった。 女の住んでいない
寺中《じちゅう》では、僧侶が針や鋏を持つことが無いとも云えない。その糸屑が庭さき....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
後に、徳次は世田ヶ谷の北沢村へ出かけました。そこには森厳寺という寺があって、その
寺中に淡島明神の社があります。その寺で淡島さま御夢想の名灸をすえるというので、江....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
爺が汲んで出す番茶に喉を湿らせて、兼松は再び詮議にかかった。 「お前はゆうべ此の
寺中に泊まったのか」 「いいえ、自分の寺へ帰りました」と、教重は答えた。「けさの....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
樹が門を掩っていた。 往来の人や近所の者が五、六人たたずんで内を覗いていたが、
寺中はひっそりと鎮まっていた。門前の左手にある地蔵堂は、寺社方の注意か、寺の遠慮....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
、さながらまことの龍のわだかまっているようにも眺められた。 長慶の初年に、その
寺中に住む人で毎夜門外の宿舎に眠るものがあった。彼はある夜、寺の西の軒から一つの....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
っ時の後に攻め破られた。 僧らもあわてて逃げ惑ったが、もう遅かった。城中の人と
寺中の僧と、死んだ者の数はかの神の告げに符合していた。講師も身を全うすることが出....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
いでになります。あなたもずいぶん薄情なかたでございますね」 否応いわさずに彼を
寺中へ引き入れて、西廊の薄暗い一室へ連れ込むと、そこには麗卿が待ち受けていて、こ....
「死者の書」より 著者:折口信夫
ねばならぬと思った。其で、今日昼の程、奈良へ向って、早使いを出して、郎女の姿が、
寺中に現れたゆくたてを、仔細に告げてやったのである。 其と共に姫の身は、此|庵室....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
旅棺が置いてあった。旅棺というのは、旅さきで死んだ人を棺に蔵めたままで、どこかの
寺中にあずけておいて、ある時期を待って故郷へ持ち帰って、初めて葬を営むのである。....
「映画の普及力とは」より 著者:伊丹万作
はある。なぜこんなことを知つているかというと、私は映写室を探して迷宮のような本願
寺中をさまよい歩いたのである。 こんな所にトーキーの映写室くらいあつても我々の....
「山吹」より 著者:泉鏡花
て、……樹は若えがよく咲きました。満開だ。――一軒の門にこのくらい咲いた家は修善
寺中に見当らねえだよ。――これを視めるのは無銭だ。酒は高価え、いや、しかし、見事....
「法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
かくて明治三十八年に至り、建築学専攻の工学士関野貞君によって、かの有名なる「法隆
寺中門塔婆金堂非再建論」が、極めて精緻なる研究を以て建築雑誌及び史学雑誌上に発表....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
たものであります。その執法僧官はどこから出て来るかといいますと、レブンという三大
寺中の一番大きな寺から、一年交代で二人ずつ出て来るです。これはシャーゴというて、....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
」とある。 これを要するに陰陽師といい、ハカセといい、万歳といい、院内といい、
寺中といい、算所といい、あるいは単に太夫といい、唱門師といっても、この徒の生活状....