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「寺門〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

寺門の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
に見たままの兄の顔。玄関からなだら上りになった所に、重い瓦を乗せてゆがみかかった寺門がある。その寺門の左に、やや黄になった葉をつけたまま、高々とそそり立つ名物の....
鯉魚」より 著者:岡本かの子
りました。それは自分だけの所罰《しょばつ》なら何でもない。しかし、沙弥とは言え、寺門に属する自分を誘惑した罪科として、あのかよわい姫まで罰せられるとも知れない。....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
来かかると、ここらも寺の多いところで、町屋《まちや》は門前町に過ぎなかった。その寺門前で市子のおころの家を訊くと、彼女は蕎麦屋と草履屋のあいだの狭い露路のなかに....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
もきょうは夕方からめずらしく小歇みになったが、星ひとつ見えない暗い夜に、牛込無量寺門前の小さい草履屋の門をたたく者があった。無量寺門前というのは今日の築土八幡町....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
みんな不思議がったに相違ありません。お琴は奉公中に主人の店をぬけだして、浅草源空寺門前の善兵衛というものを家来に仕立て、例の日野家息女をふりまわして、正二位|内....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
来た。 「矢口へ行って、八蔵という奴の家をさがし当てました。あの鶏はやっぱり海保寺門前の桂庵の家で買ったということですから、鳥亀の女房が売ったに相違ありません」....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
に平気であるらしかった。或る人がその名を訊いたらば、虎吉と答えた。家は四谷の法善寺門前であると云った。 四月十一日の朝である。久保町の豆腐屋定助が商売柄だけに....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
音の光源寺、そのほか大小の寺々が隣りから隣りへと続いていて、表通りの町々も大抵は寺門前であるから、怪談などを流行らせるにはお誂え向きと云ってよいのであった。 ....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
。 目黒には寺々あれど鐘鳴らず 鐘は鳴らねど秋の日暮るる 前にいった瀧泉寺門前の料理屋|角伊勢の庭内に、例の権八小紫の比翼塚が残っていることは、江戸以来....
明治十年前後」より 著者:淡島寒月
いたもので、馬車だとか煉瓦だとかが現われ出した頃のことが書かれてある。これはかの寺門静軒の『江戸繁昌記』にならって書かれたものである。 一体にこの頃のものは、....
異妖編」より 著者:岡本綺堂
北寺町と呼ばれていたほどで、浅草の観音堂と隣り続きでありながら、すこぶるさびしい寺門前の町であった。 話は嘉永四年の三月はじめで、なんでもお雛さまを片付けてか....
真鬼偽鬼」より 著者:岡本綺堂
に見当をつけて、川岸づたいに歩いて行くと、あすこに長徳院という寺があります。その寺門前の川端をならんで行くのが、どうも伊八とお園のうしろ姿らしいのです。」 「暗....
怪異暗闇祭」より 著者:江見水蔭
ちている、旗本の若き武士はその夜、府中の各所に散って、白由行動を取り、翌朝|深大寺門前の蕎麦屋に会して、互いに一夜の遭遇奇談を報告し合おうとの約束であった。 ....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
子の孤忠および芳流閣の終曲として余情|嫋々たる限りなき詩趣がある。また例えば金光寺門前の狐竜の化石(第九輯巻五十一)延命院の牡丹の弁(同五十二)の如き、馬琴の得....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
州グランサム駅に降り、さらに馬車を駆りてここに至る。はじめに同翁の洗礼を受けたる寺門をたたく。小庵なり。つぎにその古屋を訪う。農民これに住す。壁上に詩人ポープの....