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封じ込め
「封じ込め〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
封じ込めの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
老人は少しく顔をしかめた。 「おさんとお種が銀八に引き摺られて、例の化け物屋敷へ
封じ込められたのは、御承知の通りです。もちろん手足をくくって押入れに投げ込んで置....
「箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
が奥に四畳半の納戸《なんど》がある。お時も綾衣に因果をふくめて、そのひと間の内に
封じ込めてしまった。昼は一歩も外へ出ないで、幽霊のように夜を待って綾衣はそっと炉....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
叔母も起きてはならないと戒《いまし》めた。それから五日ばかりの間、彼は病いの床に
封じ込められて、藻の身の上にも、世間の上にも、どんな事件が起こっているか、なんに....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
味では、形成した)のである。 エロヒームは水を分けた。その上なるものは天の中に
封じ込められ、しかしてその下なるものの中に地が置かれた。地は平坦、あるいは半球形....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
はあたかも七頭であった。持って帰ると、一行は大いに喜んで、その豕をかの瓶のなかに
封じ込めて、木の蓋をして、上に大きい梵字を書いた。それが何のまじないであるかは、....
「たにしの出世」より 著者:楠山正雄
まの申し子でありながら、わけがあって、十年ものながいあいだ、たにしのからのなかに
封じ込められていたのが、きょう、およめさんが水神さまのお社に参詣して、まごころを....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
省略は野性へ帰ろうとする力である。うるさい礼節の極端な発達は、人間の心をその中へ
封じ込めてしまうものである。壮大にして複雑な油絵の組織と、先祖の立派な遺業は次の....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
は全く不愉快な事だ。浴衣の汗は直ちに拭い去る事が出来るが洋服の汗はカラーによって
封じ込められているため、手を入れるべき隙間がない。やむなく体温が汗を乾燥させるま....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
った。 祥子は、かわいそうな話と恐い話が好きで、アラビアン・ナイトの悪魔を壺へ
封じ込める話など、幾度もくり返して聴きたがった。 小太郎も、祥子の部屋に遊びに....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
はやがて打ち消した。 (でも隠語を認めた紙片が、頼母様のお手へ入った以上、それを
封じ込めてやったあの独楽が、頼母様のお手へ入ったことは、確かなことといわなければ....
「子をつれて」より 著者:葛西善蔵
懲らしめる為め何千年とか何万年とかいう間、何にも食わせずに壁の中や巌の中へ魔法で
封じ込めて置く――) これがKの、西蔵のお伽噺――恐らくはKの創作であろう――....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
尺、四尺、五尺、六尺と漸次に振積んで、町や村にあるほどの人々を、暗い家の中に一切
封じ込めて了う雪の威力を想像すると、何と無く一種の恐怖を懐かぬ訳には行かぬ。四人....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
り、反射的行動への観照の君臨である。この世において自己保存の本能にしたがうことを
封じ込めなければならなかった心の命令である。 こうした心が古い伝統にしばられた....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
の一つの現れであり、その自覚に立ち得る素質が私たちの精神肉体の中に、生れながらに
封じ込められてある。そしてその種子は折に触れ、時に乗じて天地からも哺み育てられ、....
「鉄の処女」より 著者:大倉燁子
罪は宥せません。私を欺いて、東京へ呼び寄せ、いきなり精神病院へたたき込んで、永久
封じ込めようなんて――』 『私はほんとに何も存じませんでしたの。お宥し下さいと申....