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封筒
「封筒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
封筒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「母」より 著者:芥川竜之介
だけ笑いながら、何本か手紙を男へ渡した。と同時に湯帷子《ゆかた》の胸から、桃色の
封筒《ふうとう》にはいっている、小さい手紙を抜いて見せた。
「今日は私にも来てい....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
日《きょう》はまだやっと十何日かである。二十八日の月給日に堀川教官殿と書いた西洋
封筒《せいようふうとう》を受け取るのにはかれこれ二週間も待たなければならぬ。が、....
「影」より 著者:芥川竜之介
まった後《のち》、陳は灰皿に葉巻を捨てて、机の上の封書を取上げた。それは白い西洋
封筒に、タイプライタアで宛名を打った、格別普通の商用書簡と、変る所のない手紙であ....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
―」
叔母はその封書を開く前に、まず度《ど》の強そうな眼鏡《めがね》をかけた。
封筒の中には手紙のほかにも、半紙に一の字を引いたのが、四つ折のままはいっていた。....
「或る女」より 著者:有島武郎
録《こうろく》から受け取ったまま投げ捨てて置いた古藤の手紙を取り上げて、白い西洋
封筒の一端を美しい指の爪《つめ》で丹念《たんねん》に細く破り取って、手筋は立派な....
「或る女」より 著者:有島武郎
は今度はなじるようにその若々しい上品な岡を見つめていた。
そこに愛子が白い西洋
封筒を持って帰って来た。葉子は岡にそれを見せつけるように取り上げて、取るにも足ら....
「星座」より 著者:有島武郎
いるのを気づかずにはいられなかった。園が手紙を取りだした時、星野とだけ書いてある
封筒の裏が上になっていたので、名宛人が誰であるかはもとより判りようはずがないのに....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
、片手で机の上をいじくり出した。そして、今しがた僕が読んで納めた手紙を手に取り、
封筒の裏の差出し人の名を見るが早いか、ちょっと顔色を変え、 「いやアだ」と、ほう....
「暗号の役割」より 著者:海野十三
く続いているのではあるまいか。用箋の第二枚、第三枚があるのではなかったか。しかし
封筒の中にはいっていたのは用箋一枚きりだった。困った」 袋探偵は行詰って、紙片....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
姐――お雪さんに、(おい、ごく内証だぜ。)と云って、手紙を托けたんです。菫色の横
封筒……いや、どうも、その癖、言う事は古い。(いい加減に常盤御前が身のためだ。)....
「出奔」より 著者:伊藤野枝
出て見ると三通の封書を渡された。一通はN先生、一通は光郎、あとのはねずみ色の
封筒に入った郵便局からのだ、あけて見ると電報為替だ。N先生から送ってくだすったも....
「私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
その写真は井上と水谷の「寒椿」である。 入営中も伊藤は筆まめに手紙をくれたが、
封筒の中にはいつも、その時々の彼の脚色した写真のポジが何コマか入れてあつた。その....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
た、そんな人間の存在は私の心をほとんど動かさないのである。が、ふと手にした一枚の
封筒が私をはッとさせた。
封筒の上には大きな文字で太く私の名が書かれてある。それを....
「おばけずきのいわれ少々と処女作」より 著者:泉鏡花
の投入口に奥深く挿入せられてしばらくは原稿を離れ得ない。やがてようやく稿を離れて
封筒はポストの底に落ちる。けれどそれだけでは安心が出来ない。もしか原稿はポストの....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
に苦しむ。無罪だ』と述べたが懲役五ヵ月をくった。 獄中でゲタの鼻緒の芯をない、
封筒はりをしたが、獄房の中へもシャバのタヨリが伝わってくる。ある房から新潟県の木....