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「射干〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

射干の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
富士」より 著者:岡本かの子
まぼろしの雲と棚曳き魂魄を匂いの火気に溶かしている。林や竹藪の中に屈《くぐ》まる射干《しゃが》、春蘭のような花すら美しき遠つ世を夢みている。これをしも死から咲き....
十二支考」より 著者:南方熊楠
リガーラまたジャムブカ、アラブ名シャガール、ヘブライ名シュアルこれらより転訛して射干また野干と音訳されただろう、『松屋筆記』六三に「『曾我物語』など狐を野干とす....
死者の書」より 著者:折口信夫
の節々の挫けるような、疼きを覚えた。……そうして尚、じっと、――じっとして居る。射干玉の闇。黒玉の大きな石壁に、刻み込まれた白々としたからだの様に、厳かに、だが....
俳人蕪村」より 著者:正岡子規
しるけれど、なおその他にしか思わるるところ多し。一例を挙ぐれば彼が自筆の新花摘に射干して※《ささや》く近江やわたかな とあり。射干《しゃかん》は「ひおうぎ」「か....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
立った。足から膝まで光線に浸って、着ている物の柄さえ読める。あたりを罩《こ》める射干玉《うばたま》の夜陰に、なんのことはない、まこと悪夢の一場面であった。 「お....
長崎の鐘」より 著者:永井隆
うだった。最初少し弱いのが来て、急に強くなったと覚えている。その後に続いたのは反射干渉の結果の圧力だったろうけれども」 「日本ではこんなことを知らなかったのかい....