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「将卒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

将卒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
古典風」より 著者:太宰治
つの眼には狐疑《こぎ》の焔《ほのお》が青く燃え、侍女たちのそよ風ほどの失笑にも、将卒たちの高すぎる廊下の足音にも、許すことなく苛酷の刑罰を課した。陰鬱の冷括《れ....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
攻撃すべし。ブラック提督」 この一大決心を含めた命令が各隊に伝わると、飛行隊の将卒は、非常なる感激に打たれた。六対十の比率に安心していたのも空しく、今自分達が....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
うかがって躍り出したかと思うと、すぐ安全な地帯へ逃げこんでしまった。 三千人の将卒が、総がかりで、その便衣隊を追っかけまわした。しかし、一人をも本当の奴を捕ま....
パルチザン・ウォルコフ」より 著者:黒島伝治
て見せたのだった。「それを一人も残らず殲滅してしまった。我軍の戦術もよかったし、将卒も勇敢に奮闘した。これで西伯利亜のパルチザンの種も尽きるでありましょう。と、....
運命」より 著者:幸田露伴
大呼して曰く、燕を滅せんと。たま/\旋風突発して、南軍の大将の大旗を折る。南軍の将卒|相視て驚き動く。王これに乗じ、勁騎を以て繞って其後に出で、突入|馳撃し、高....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
、将軍親征の計画は幕府の大失敗であるらしい。こんな無理な軍役を起こし、戦意のない将卒を遠地に送り、莫大な軍資を費やして、徳川家の前途はどうなろう。名古屋城のお留....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
に見えて近づいて来る。 彼は久しく羨んで居た。熱帯を過ぐる軍艦の甲板で、海軍の将卒が折々やると云う驟雨浴「総員入浴用意!」の一令で、手早く制服をぬぎすて、石鹸....
李陵」より 著者:中島敦
》と秋空を劃《くぎ》る遠山の上を高く雁《かり》の列が南へ急ぐのを見ても、しかし、将卒一同|誰《だれ》一人として甘い懐郷の情などに唆《そそ》られるものはない。それ....
若き日の成吉思汗」より 著者:林不忘
顔色を変えて突っ起つ。長老|哲別《ジェベ》、その雲往きを察して、追い立てるように将卒一同を引き取らせる。そして手早く合爾合《カルカ》姫を案内して、成吉思汗《ジン....
法窓夜話」より 著者:穂積陳重
考を要する次第で、軽々しく手を下すことが出来なかった。たとい平素は監守の任にある将卒の注意が緩んでいるとしても、もし一兵卒が櫃を怪しんだり、あるいは好奇心から偶....
春寒」より 著者:寺田寅彦
まざまな奇蹟を現わしている。 スチクレスタードの野の戦の始まる前に、王は部下の将卒の団欒の中で、フィン・アルネソンのひざを枕にしてうたた寝をする。敵軍が近寄る....
雪のシベリア」より 著者:黒島伝治
あの、頭のない兎も忘れちゃいけないぞ!」 六 三日目に、二個中隊の将卒総がゝりで、よう/\探し出された時、二人は生きていた時のまゝの体色で凍ってい....
赤坂城の謀略」より 著者:国枝史郎
り、この城を遠征めにしようとしている。とうてい籠城は覚束ない) そこで、正成は将卒をあつめ、しみじみとした口調で申し渡した。 「この間は数箇度の合戦に打ち勝ち....
赤げっと 支那あちこち」より 著者:国枝史郎
慨に耽らざるを得なかったよ。 旅順では戦利品記念館をも見た。籠城していた露国の将卒が恐怖や不安の為めに発狂し、その狂人に着せたという狂病衣を見た時にはゾッとし....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
ます。 落城も程近い城中にあって当時若い腰元のおあんを塗っているのであります。将卒たちは自分が取って来た敵の首が白歯のままであるとそれは敵軍の士卒の首であるこ....