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尊い
「尊い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
尊いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
だの秦《しん》の国の玉だの、いろいろな物を持って来ました。いや、そう云う宝よりも
尊い、霊妙《れいみょう》な文字さえ持って来たのです。が、支那はそのために、我々を....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
も、その正体《しょうたい》はおん主《あるじ》の御血肉《おんけつにく》となり変る」
尊いさがらめんとを信じている。おぎんの心は両親のように、熱風に吹かれた沙漠《さば....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
代る声援を与えた。古来そのために無数の鶏、無数の犬、無数の人間が徒《いたず》らに
尊い血を流した、――宿命的にあらゆる物を狂気にさせる声援を与えた。
勿論この声....
「或る女」より 著者:有島武郎
あなたほど誤解を受ける人はない。だれもあなたの複雑な性格を見窮めて、その底にある
尊い点を拾い上げる人がないから、いろいろなふうにあなたは誤解されている。あなたが....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
ったのに、その時の涙は拭くあとからあとから流れ落ちた。その熱い涙はお前たちだけの
尊い所有物だ。それは今は乾いてしまった。大空をわたる雲の一片となっているか、谷河....
「星座」より 著者:有島武郎
ないでいる。いわないでいるうちにおぬいにとっては、それがとても口には出せないほど
尊いものになっていた。
おぬいは老境に来たのを思わせるような母の後姿を見つめな....
「弓町より」より 著者:石川啄木
う以外に我々の生存には意義がない。詩がその時代の言語を採用したということも、その
尊い実行の一部であったと私は見る。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~ ....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
し得ない調子を持った言葉だ。 「だれも気もつかず注意も払わない地球のすみっこで、
尊い一つの魂が母胎を破り出ようとして苦しんでいる」 私はそう思ったのだ。そう思....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
、その宝玉の正しい価値に於てそれを持とうと願うのだろう。私の私自身は宝玉のように
尊いものではないかも知れない。然し心持に於ては宝玉を持つ人の心持と少しも変るとこ....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
ララの眼をかき抱くようにした。クララの心は酔いしれて、フランシスの眼を通してその
尊い魂を拝もうとした。やがてクララの眼に涙が溢れるほどたまったと思うと、ほろほろ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
学的観照に及ぼす有害な影響を打破するというのであった。 宗教裁判の犠牲となって
尊い血を流したのはこれが最後であって、これをもって旧時代の幕は下ろされたと言って....
「聖書」より 著者:生田春月
からないが、兎に角惜しいような気がする。 むやみにいじくって見る。何やら古い、
尊い香がする。――気が付くと、Kさんの話はいつの間にかどしどしイプセンに進んでい....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
ござりまする。川は御存じの五十鈴川、山は神路山。その姿の優しいこと、気高いこと、
尊いこと、清いこと、この水に向うて立ちますと、人膚が背後から皮を透して透いて見え....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
い境涯へはとても進めぬぞ! これからは俺がそなたの指導役、何事もよくききわけて、
尊い神さまの裔孫としての御名を汚さぬよう、一|時も早く役にもたたぬ現世の執着から....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
が、何と言っても人生の悪戦苦闘を、首尾よく切り抜けて、凱歌を挙げた魂が、更に更に
尊い。いわゆる艱難汝を珠にすで、試練によりて浄化されたる魂が、死後に於て特別の境....