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尊さ
「尊さ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
尊さの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ちょっとここで申添えて置きたいと思いますのは、海神の怒りの件でございます。大和武
尊さまのような、あんな御立派なお方が、何故なれば海神の怒りを買われたか?――これ....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
余裕がないだけに、命とかけがえの真実な仕事であるだけに、言葉には現わし得ないほど
尊さと厳粛さとを持っている。ましてや彼らがこの目ざましいけなげな生活を、やむを得....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
の天分を提げて人間全体をただ一つの色に塗りつぶそうとする人ではないか。その意気の
尊さはいうまでもない。然しその
尊さの蔭には
尊さそのものをも冰らせるような淋しさが....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
を明く見るよう、療治を一つしてくりょう。 で、翌日は謹んで、参拝した。 その
尊さに、その晩ばかりはちっとの酒で宵寝をした、叔父の夜具の裾を叩いて、枕許へ水を....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
吸を引いて、 ――まあ、嬉しい―― とちゃんと取って、蝋燭を頂くと、さもその
尊さに、生際の曇った白い額から、品物は輝いて後光が射すように思われる、と申すもの....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
な目にお読みなさって……その……解りました時の嬉しさ。 御心の優しさ、御教えの
尊さ、お智慧の見事さ、お姿の※たい事。 二度目には雷神坂を、しゃ、雲に乗って飛....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
いて行って、顔なじみのない電車にまぎれ込むことにしていた。現実のきびしさと、金の
尊さを知っていたこともあるが、実際商売の方も赤字続きだったのである。こんな悪戦苦....
「幼き頃の想い出」より 著者:上村松園
は天才になればなるほど、芸術的自我の熾烈なものであり、そこに彼等の価値もあれば、
尊さもあるわけでございますが、そうした優れた芸術家の歴史に有名な逸話の実際の結晶....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
この瑜瑕並び蔽わない特有の個性のありのままを少しも飾らずに暴露けた処に椿岳の画の
尊さがある。 椿岳の画は大抵小品小幀であって大作と見做すべきものが殆んどない。....
「奇賊悲願」より 著者:海野十三
来やがって、生活難だの復興難だのに藉口して、仏像を売払う輩が多くなった。まさか本
尊さまを売飛ばすわけには行かないが、それと並べてある割合立派な仏像を、いい値で売....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
何を云いだすのやら、すこし驚かされた。 「君は、そうした要求の背後に、いかなる本
尊さまがあるのかを知らねば駄目だ」 「本
尊さまって?」 「端的に云えば、君は母性....
「金山揷話」より 著者:大鹿卓
け加えた。私はそれを聞いてなにか救われたように感じた。佐々木が幾瓦かの自分の血の
尊さを、市岡の微笑と取りかえたように満足しているらしいのも私にとって救いだった。....
「人間性の深奥に立って」より 著者:小川未明
を眺めると、それは決して単なる職業とのみ観る訳には行かない。そこに深い社会奉仕の
尊さが潜んでいると思う。 大学の教授たちが自分の専門に没頭して、只だそれを伝え....
「死者の書」より 著者:折口信夫
伝えた浄土の荘厳をうつすその建て物の様は想像せぬではなかった。だが目のあたり見る
尊さは唯息を呑むばかりであった。之に似た驚きの経験は曾て一度したことがあった。姫....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
の人々の考え方としては尤もなことであったのである。そのことが、漢詩に対して和歌の
尊さを守らせたのであった。これは和歌という名であらわされた、日本のうたに対する愛....