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尊大
「尊大〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
尊大の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
藤はたたみかけて口をきった。
「永田ってのはあれはあなたの知人ですか。思いきって
尊大な人間ですね。君のような人間から金を受け取る理由はないが、とにかくあずかって....
「星座」より 著者:有島武郎
した」
新井田氏の口調は、第三者の前でいつでも新井田氏が渡瀬に対してみせるあの
尊大で同時に慇懃《いんぎん》な調子になっていた。
「今月の何んです、今月のお礼で....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
も、既に多鶴子の心身を自由にしてしまっているという強味に裏づけされていた。残酷な
尊大さで、矢野は、「あんたも良い娘を産みなすったな」と言っていたが、その晩黙って....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
事件の局状が、法水等に不利なのを察したと見え、早くも、彼の瞳の中を、圧するような
尊大なものが動いていった。「ところで法水さん、いったい本開閉器を切ったのは、誰な....
「海賊と遍路」より 著者:黒島伝治
った。慾のかたまりのような人間や、狡猾さが鼻頭にまでたゞよっているような人間や、
尊大な威ばった人間がたくさんいるのである。 約十年間郷里を離れていて、一昨年帰....
「旅行の今昔」より 著者:幸田露伴
か知りませんが、紳士淑女となると何事も自分では仕無いで、アゴ指図を極め込んで甚だ
尊大に構えるのが当世ですネ。ですから左様いう人が旅行をするのは何の事は無い、「御....
「雪たたき」より 著者:幸田露伴
だった。 「おのれ等」 と、見だての無い衣裳を着けている男の口からには似合わない
尊大な一語が発された。然し二人は圧倒されて愕然とした、中辺の高さでは有るが澄んで....
「富岡先生」より 著者:国木田独歩
る人物も少くはない、こういう人物に限ぎって変物である、頑固である、片意地である、
尊大である、富岡先生もその一人たるを失なわない。 富岡先生、と言えばその界隈で....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
は没交渉である。 更にわれ等が持て剰すのは、徒らに伝統の儀礼法式に拘泥し、固陋
尊大、何等精神的の新事実に興味を感ずることを知らざる人達である。物理的心霊現象な....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
の刑部という男は、そもそもどんな人物なのであろう。 年は六十で痩せていて、狡猾
尊大な風貌をしていて、道服めいた着物を着ていて、手に払子めいたたたきを持ち、絶え....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
ようとする夢を執念深く夢見していて、そのために気むずかしくなっており、そのために
尊大になっており、あつかい悪くなっている、塩屋の主人の嘉右衛門を、すかしたりなだ....
「演劇の様式――総論」より 著者:岸田国士
真面目さ」が禍となつて、この種のジャンルの発展を妨げているとも考え得るのである。
尊大な力の前で、狡猾な弱者がどんな振舞いに及ぶかという永遠の喜劇は、常に民衆の健....
「日本上古の硬外交」より 著者:国枝史郎
のであり、我を東天皇と云い彼を西皇帝と称し飽迄も対等の礼を以って押通された。多少
尊大に過ぎる煬帝の国書を何事も仰せられず取納め、こなたより遣わす国書は依然堂々た....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
川で。はあ、」と仰向いて挨拶をする。これはあえて人を軽蔑するのでもなく、また自ら
尊大にするのでもない。加茂川は鬼神の心をも和ぐるという歌人であるのみならず、その....
「城」より 著者:カフカフランツ
なことはなかった――それが現われるのは、ほんのちょっとのあいだ目ざめる役所一流の
尊大さを滑稽に爆発させるときだけである。その役所一流の
尊大さというのは、むろん彼....