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尊敬
「尊敬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
尊敬の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
彼の上に、何よりも堪えがたい、落莫《らくばく》たる孤独の情をもたらした。彼は彼の
尊敬する和漢の天才の前には、常に謙遜《けんそん》であることを忘れるものではない。....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
、――この語学的天才よりもむしろ偽善者たる教えぶりのために、どのくらい粟野さんを
尊敬したであろう。……
「あしたはもう日曜ですね。この頃もやっぱり日曜にゃ必ず東....
「彼」より 著者:芥川竜之介
なん》の知識も持っていなかった。が、資本だの搾取《さくしゅ》だのと云う言葉にある
尊敬――と云うよりもある恐怖《きょうふ》を感じていた。彼はその恐怖を利用し、度た....
「野呂松人形」より 著者:芥川竜之介
代と場所との制限をうけない美があると信じたがっている。僕たちのためにも、僕たちの
尊敬する芸術家のためにも、そう信じて疑いたくないと思っている。しかし、それが、果....
「死後」より 著者:芥川竜之介
「あたしは悪い人とは思いませんけれど、……」
しかし妻自身も櫛部《くしべ》某に
尊敬を持っていないことははっきり僕にわかっていた。ではなぜそう言うものと結婚した....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
好意と反感との前に、いずれも当惑に似た感じを味わないではいられなかった。殊に彼を
尊敬する一団の若者たちに接する時は、ほとんど童女にでも似つかわしい羞恥《しゅうち....
「少年」より 著者:芥川竜之介
オランと共に剣を執《と》ったマホメット教の伝道はまだしも剣を執った所に人間同士の
尊敬なり情熱なりを示している。が、クリスト教の伝道は全然相手を尊重しない。あたか....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
。
椎の葉の椎の葉たるを歎《たん》ずるのは椎の葉の笥たるを主張するよりも確かに
尊敬に価している。しかし椎の葉の椎の葉たるを一笑し去るよりも退屈であろう。少くと....
「出帆」より 著者:芥川竜之介
こへよく来るから、知っている」
それから、彼は、日本人のフロックコオトに対する
尊敬の愚《ぐ》なるゆえんを、長々と弁じたてた。僕のセンティメンタリズムは、ここで....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
目付は、元来余り天文なぞに信を措《お》いていない。が、日頃この男の予言は、主人が
尊敬しているので、取あえず近習《きんじゅ》の者に話して、その旨を越中守の耳へ入れ....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
のみならず時々短い言葉に人生のカリカテュアを描いたりした。僕はこの屋根裏の隠者を
尊敬しない訣には行かなかった。しかし彼と話しているうちに彼もまた親和力の為に動か....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
人は受取りて表書の名を見るより涙を溢して悦び、口早に女房にも告げ神仏の来臨の如く
尊敬して座敷へ通し、何はさて置き伯父の安否を問い、幾度か昔救われたることを述べ、....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
った名誉の書類が挟んである。 「一八四七年一月二十五日。」 これらの記録の間に、
尊敬と幸福との源として、他のものよりも一層すぐれたものを挟んで置く。余等は一八二....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
な生活をしていると思われたのだ。 先生というものは概して田舎の女性たちには相当
尊敬されるもので、のんきな紳士風の人間のように思われ、荒っぽい田舎の男たちにくら....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
中をすっかり見られてしまうからであった。 それゆえ、彼は、八十二歳で、人びとの
尊敬の的となり、全国民の哀悼のうちに亡くなったのである。その亡躯は、赤いズボンを....