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尊顔
「尊顔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
尊顔の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
》わっている泥棒陰士《どろぼういんし》ではないか知らん。いよいよ陰士とすれば早く
尊顔《そんがん》を拝したいものだ。陰士は今や勝手の上に大いなる泥足を上げて二足《....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
ない。 「おう、薩州か。一別以来であった喃」 「ははっ――、いつもながら麗しき御
尊顔を拝し奉り、島津修理、恐悦至極に存じまする」 「左様かな。そちが一向に姿を見....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
れた侍の胤、唯今ではお目見得|已上と申しても、お通り掛けお目見えで、拙者|方では
尊顔を見上ぐる事も出来ませんから、折々お側へ罷出でお目通りをし
尊顔を見覚えるよう....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
をすら免じ、帝みずから親しく異邦人を引見せられるばかりか、彼らをして直立して帝の
尊顔を拝することを得せしめたもうたとある。この一事だけでも、彼らフランス人やオラ....
「一本の花」より 著者:宮本百合子
ンクでよごれた手が気持わるいので、先に内に入った。 「上らないの?」 「ちょっと
尊顔を拝するだけのつもりだったんだが……」 「お上んなさい。――どうせ夕飯これか....
「戦時旅行鞄」より 著者:海野十三
ていたので、一度はいってみたいと思っていた。そこへ旧師からの誘いである。大先生の
尊顔も久々にて拝みたいし、旁々かの土地を見物させて貰うことにしようかと、師恩に篤....
「文化祭」より 著者:坂口安吾
に手もとに集ったのが、わずかに八枚ぶん。イヤハヤ、ザンキにたえません。実に諸氏の
尊顔を拝するのも心苦しいのですが、これひとえに農村不況の致すところでありまして、....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
と、又、平伏した。そして、岩下が、斉彬のいると思える正面へ
「麗《うるわ》しき御
尊顔を拝し奉り、恐悦至極に存じ奉ります。早速、拝謁仰せつけられ、冥加至極、恐れ入....
「魔都」より 著者:久生十蘭
ぎながら、
「ああ、ああ、何たる幸福ではありましょう。咫尺《しせき》の間に殿下の
尊顔を拝しますることは、申そうに真実夢のようでありまする。このようなことはあまり....
「随筆 寄席囃子」より 著者:正岡容
、三の少年たりし己れも、初めて浄名院に詣でたりけり。 里人が戯文にありし「地蔵
尊顔へ烏が糞をひり」の柳句、いかさま当時は鉛筆にて地蔵尊の尊体に記されてはありぬ....
「加波山」より 著者:服部之総
ろつきて、禅室に行て尋申すに、上人|左右《そう》なくいであひたまひけり。すなはち
尊顔にむかひたてまつるに、害心たちまちに消滅してあまつさえ後悔の涙禁じがたし。や....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
、 客「若い衆さん、ちょいと若い衆さん、其処をお通りかえ、若い衆さん、ちょっと御
尊顔を拝したいね、あなた」 若「ヘエ、これは何うもお淋しゅうございましょう、生憎....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
民 龍神鬼神など 法を聴かんとして来り集まり 一心に宝座を囲繞し またたきもせで
尊顔を 仰ぎ瞻たりき―― 「なんのこッたい」 「比丘尼ってえな、近頃、鼠色におし....
「三国志」より 著者:吉川英治
生という人か。 玄徳は身をすすめて、 「お召仕えの童子の案内に従い、はからずご
尊顔を拝す。私としては、歓びこの上もありませんが、ご静居をさわがせた罪は、どうぞ....