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小さな
「小さな〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
小さなの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「影」より 著者:芥川竜之介
う夾竹桃も見えなくなった、薄暗い空虚の客間が残った。すると二人に忘れられた、あの
小さな三毛猫は、急に何か見つけたように、一飛びに戸口へ飛んで行った。そうしてまる....
「片恋」より 著者:芥川竜之介
志村の大将、その時分は大真面目《おおまじめ》で、青木堂へ行っちゃペパミントの
小さな罎《びん》を買って来て、「甘いから飲んでごらん。」などと、やったものさ。酒....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
《のぼ》って行った。そうして真暗な座敷の中へ、そっとこの憐れな動物を放した。犬は
小さな尾を振りながら、嬉しそうにそこらを歩き廻った。それは以前飼っていた時、彼女....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
た。が、叔母はそれは敷かずに、机の側へ腰を据えると、さも大事件でも起ったように、
小さな声で話し出した。
「私は少しお前に相談があるんだがね。」
洋一は胸がどき....
「狂女」より 著者:秋田滋
年老いた下婢がひとり彼女のそばに附いていて、その女が時折り飲物をのませたり、
小さな冷肉の片を口のところまで持っていって食べさせてやったりしていた。絶望の底に....
「墓」より 著者:秋田滋
一八八三年七月十七日、草木もねむる真夜なかの二時半のことである。ベジエ墓地のはずれに建っている
小さなほったて小屋に寐起きをしている墓番は、台所のなかへ入れておいた飼犬がけたた....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
し家で使っていた雇人や私たちの住んでいた家の形や、子供のあたまるような他愛もない
小さな事を見出した。 そうだ、私は突然母の旧いおつくりを思い出したのだった。す....
「初雪」より 著者:秋田滋
* * この散歩路のほうに向って入口のついた、小粋な構えの
小さな家が一軒あったが、折しもその家から若い女がひとり出て来た。ちょっと立ちどま....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
車夫に命じて抱き止めさせし人なりし。小女は浅草清島町という所の細民の娘なり。形は
小さなれど年は十五にて怜悧なり。かの事ありしのち、この家へ小間使というものに来り....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
は、棚に書物あり、机の上には雑誌ありという風で、読書室になっている。また器械室と
小さな標本室もある。さて正面の大きな階段を登ると、左に準備室があって、その先きに....
「寡婦」より 著者:秋田滋
た年老いた伯母の手を弄ぶともなく弄んでいた一人の若い女が、金色の頭髪でこしらえた
小さな指環にふと目をとめた。その時までにも何遍となく見たことはあったのだが、別に....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
護をねがいながら、横断したものだ。そこの東側の岸にくいこんでいる広い入江の奥に、
小さな市場か田舎の港といったような町があり、ある人たちはグリーンズバラと呼んでい....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
一条の街道がこれから村へかかろうとするあたりに、這い込むような
小さな家が一軒、道のほとりにたっていた。彼はむかしその家に住んでいた。土地の百姓....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
があるので、狩猟ということを思い付いた。子供たちは、虫けらを見つけたり、小鳥や、
小さな動物を捕えたりすると、それを殺す。しかし、ただそれだけでは、われわれの中に....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
のを仕事にしておりました。 三人の百姓の生れた村というのは、それはそれは淋しい
小さな村で、秋になると、山が一面に紅葉になるので、城下の人たちが紅葉を見に来るほ....