小休み[語句情報] » 小休み

「小休み〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

小休みの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
蛇の亡骸のようなまっ黒い姿を遠く海の面に横たえて、夜目にも白く見える波濤の牙が、小休みもなくその胴腹に噛いかかっている。砂浜に繁われた百|艘近い大和船は、舳を沖....
槍ヶ岳第三回登山」より 著者:小島烏水
は莟んでいる故か、思ったより暖かなので、中岳と仮に名をつけた小隆起を屏風にして、小休みをする、赤沢岳は三十度以上の傾斜をして、岩石の赤い筋と雪の白い斑とが、燃え....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
で、一通行あるごとに宿役人としての心づかいもかなり多い。多人数の宿泊、もしくはお小休みの用意も忘れてはならなかった。水戸の御茶壺、公儀の御鷹方をも、こんなふうに....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
るのに不思議はなかった。 その日の藩主は中津川泊まりで、午後の八つ時ごろにはお小休みだけで馬籠を通過した。 「下に。下に。」 西へと動いて行く杖払いの声だ。....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
を回しているだろうね。寿平次さんの家じゃどうするか。」 「それがですよ。妻籠のお小休みは実蔵さん(得右衛門養子)の家ときまったそうですよ。」 「やっぱり、そうか....
不尽の高根」より 著者:小島烏水
り雲に包まれ、目前にあって見ることが出来ない。安都玉村の素封家、輿水善重氏の宅で小休みする。善重氏は、文墨のたしなみがあり、菅原白竜山人のかけ幅や、板垣退助伯が....
南地心中」より 著者:泉鏡花
月の曇った空に、嘴も翼も見えて、やがては、練ものの上を飛交わす。 列が道頓堀に小休みをした時は、立並ぶ芝居の中の見物さえ、頻りに鴉鳴を聞いた、と後で云う。……....
霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
上へかゝりまして、市城から青山伊勢町中の条へ掛ると日は暮れかゝりまして、木村屋で小休みに成りますから十分手当をして遣り、車夫も疲れた様子だから車を取換えようと云....
寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
、これで察せられる。 あくる三日は宇都宮を立って、日光街道にかかる。上戸祭村で小休みをすると、「わが作話の牡丹燈籠の仇討に用ひた十郎ヶ峰はここから西北に見える....
後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
町の牢屋の裏門を立出で、大門通から江戸橋へ掛ってまいりましたので、角の町番屋にて小休みの後、仕置場へ送られるのでございます。 五 文治が先に立って江戸橋へ....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
えるにつれ、自然茶をのむところの必要も感じられ、中村屋のお得意からもちょっとした小休み程度の喫茶部を設けてほしいがという希望はたびたび出ていた。 しかし私は、....
競漕」より 著者:久米正雄
しかし艇はいつもの通り緩やかに滑り出す。そして窪田の命令で珍しく小松宮別邸の下で小休みをした。その時傍を過ぎた伝馬の船頭が急に何か見つけて騒ぎ出した。何だろうと....
雪柳」より 著者:泉鏡花
、前方でもすぐには返すまいし、戸口からも帰られまい、ゆっくりなせえ、並木の茶店で小休みをしながら待とうよ。」で、馬五郎がその縁類を訪れた。ここの辞儀挨拶は用がな....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
りました。だんだん南の山の中へ進んで行くこと七里ばかりにしてカンマという駅に着き小休みして居りますと、十二、三頭の駄馬の中に私の荷物は全く二疋の馬に載せられてど....
大ヴォローヂャと小ヴォローヂャ」より 著者:神西清
う三十を越した、顔色の悪い眉毛の濃い、鼻眼鏡の老嬢であるが、烈しい寒風のなかでも小休みもなく巻煙草を喫うのが癖で、胸のあたりや膝の上に煙草の灰を絶やしたことがな....