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「小作料〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

小作料の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
カインの末裔」より 著者:有島武郎
ずに蓆の上に置いた。そしてむずかしい言葉で昨夜の契約書の内容をいい聞かし初めた。小作料は三年ごとに書換えの一反歩二円二十銭である事、滞納には年二割五分の利子を付....
小作人への告別」より 著者:有島武郎
、納税のために支払った金とを合算してみても、今日までの間毎年諸君から徴集していた小作料金に比べればまことにわずかなものです。私がこれ以上諸君から収めるのは、さす....
駈落」より 著者:佐左木俊郎
俺等《おらら》みでえなもの、こんな田舎にいたんじゃ、うだつがあがらねぇ。田作れば小作料が高《たげ》えくって、さっぱり徳がねえし、馬鹿馬鹿し。日傭《ひでま》稼ぎに....
熊の出る開墾地」より 著者:佐左木俊郎
の土地を自分の所有に戻すことは出来なかった。借りた金は、利息に利息を生み、土地は小作料を持って行った。俄然として疲弊は農村を襲って来た。 そこへ岡本吾亮が素晴....
豚群」より 著者:黒島伝治
親爺は主に畠へ行っていた。健二は、三里ほど向うの醤油屋街へ働きに出ていた。だが、小作料のことから、田畑は昨秋、収穫をしたきりで耕されず、雑草が蔓《はびこ》るまゝ....
党生活者」より 著者:小林多喜二
クうつ伏せになって上り端《はな》で昼寝していた。父は身体に無理をして働いていた。小作料があまり酷なために、村の人が誰も手をつけない石ころだらけの「野地《やじ》」....
鰊漁場」より 著者:島木健作
いたのである。そうして彼がそんな考えを起すようになったというのも、もとをただせば小作料と税金の滞納と借金とにその原因があったのである。それらに責め立てられる苦し....
親子」より 著者:有島武郎
え地をしたのはどの辺にあたるのか」 「藤田の小屋はどれか」 「ここにいる者たちは小作料を完全に納めているか」 「ここから上る小作料がどれほどになるか」 こう矢....
黒い地帯」より 著者:佐左木俊郎
えければ、それゃ、水揚げ水車でもなんでも拵えるより仕方がねえがね。娘を売ってまで小作料を持って来られちゃ、どんなことをしてだって水をあげてやらねえと……」 森....
入営する青年たちは何をなすべきか」より 著者:黒島伝治
、農村に残っている同志や親爺には、工場主の賃銀の値下げがある。馘首がある。地主の小作料の引上げや、立入禁止、又も差押えがある。労働者は、働いても食うことが出来な....
荒蕪地」より 著者:犬田卯
れていたのだ。小作地でさえそれは免れられぬ。もし地主に一任しておくなら、つまりは小作料の騰貴でなければならず、でなければ、それこそ杉や桑や、その他ここに適当と思....
ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
色の、大柄でむくむくと肥えふとった奴で、おまけにそのぴんとおっ立った髭ときたら、小作料を取り立てに歩く差配さんにそっくりだった。 カテリーナ・リヴォーヴナが、....
不在地主」より 著者:小林多喜二
であります。」(某氏就任の辞) 「立毛差押」「立入禁止」「土地返還請求」「過酷な小作料」――身動きも出来なようにところをねらっていた。 S村は開墾されてから三....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
な貧しい家で子供に手習をさせるかと思って尋ねますと、この辺は皆農家であって地主に小作料を納めます時分に字を知らないというと地主にごまかされる。だから字を習い数を....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
村落のコーヒー百八十二万八千株ありて、小作人一戸につき平均五千株を作らしむ。その小作料、一カ年六百五十ミル(わが三百九十円)とす。しかして採収料はこのほかなり。....