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小利
「小利〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
小利の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「モルグ街の殺人事件」より 著者:佐々木直次郎
してはならない」とデュパンが言った。「パリの警察は明敏だと褒められているが、ただ
小利口なだけなんだよ。彼らのやり方には、ゆきあたりばったりの方法以上に、方法とい....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
いで「何時御婚礼を成されます」と問い返した辛さは真に察して貰い度い。
第十七回
小利口な前置き
「何時御婚礼を為されます」との余の問いに、叔父は甚く驚いた様子....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
聞かされて、なんだか不安心にもなったので、あとから様子を窺いに来たんです。佐吉も
小利口ではあるが、年も若いし、これも悪い人間じゃあないんですから、岡っ引なぞに探....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
たぐいでも、攘夷のためとか御国の為とか云えば、これに勿体らしい口実が出来るので、
小利口な五右衛門も定九郎もみんな攘夷家に早変りしてしまった。しかし相手の方もだん....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
ろうとも、妹をくれようともいう者はないので、庄屋も始末に困っていると、そのなかで
小利口な一人がこんなことを言い出した。 「では、どうだろう。このあいだから重助の....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
にして居ります、旦那可愛がって遣って、あんな奴でも一寸泥水へ這入った奴で、おつう
小利口なことをいうが、人間は余り怜悧ではないがね、もし旦那、お相手によければ差上....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
自然そのままのような時もある、形式ずくめで定《き》まりきったような時もある、悪く
小利口な代もある、情慾崇拝の代もある、信仰|牢固《ろうこ》の代もある、だらけきっ....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
てるからそんなことをいうんだろう、だれがなんといってもおれはなぐる、あいつは一体
小利口で陰険だぞ」 「そうだそうだ」とみなが賛成した。 「いつか生蕃カンニング事....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
するんだ。一文なしじゃ食うことも出来ねえ」 「待ったり待ったり」 と云ったのは
小利口の三男月丸であった。 「これには訳がありそうだ。……ううむ秘密はここにある....
「落語・教祖列伝」より 著者:坂口安吾
はよその者にきまっているのだが、ズルイということは善良でない人間の目から見ると、
小利巧で働きがあると見えない節がないようだから困ったものだ。妾などというものは魔....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
あるときはせめてこの記録を破ってやろうと考えている。 芸ごとというものは、変に
小利巧で、目先がきいて、損得勘定に明るすぎるようだと大成しないものである。一徹で....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
のだ。ついでながら、彼はこの著書を深く固く信じていたのである。 じじつ、彼には
小利口で抜け目のないところと、単純にものを信じやすいところとが妙にまじりあってい....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
を求めて権門|貴戚に伺候するは魯か、先輩朋友の間をすらも奔走して頼んで廻るような
小利口な真似は生得出来得なかった。どうにかしなければならないと思いつつもどうにも....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ら私は銭儲けに行ってやった」というような口を利く。実に酷い有様です。それからまた
小利に齷齪する心がごく鋭い。こうすれば将来どういう事が起るとかあるいは一村一国に....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
はるかに欧米の下にあることを発見したるがごとし。商業に従事するものは、わが商人の
小利小欲に汲々として大利を忘れ、公衆永久の信用を重んぜざるの弊あるを憂え、学術に....