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小口
「小口〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
小口の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
を取返す、二度目の外出《そとで》はいそいそするのに、手を曳《ひ》かれて、キチンと
小口《こぐち》を揃えて置いた、あと三冊の兄弟を、父の膝許《ひざもと》に残しながら....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
…」 民子は泣き出しそうな顔つきで僕の顔をじいッと視《み》ている。僕もただ話の
小口にそう云うたまでであるから、民子に泣きそうになられては、かわいそうに気の毒に....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
われた。別刷などいろいろもらって、お茶に呼ばれてから、階上の露台へ出ると、そこは
小口径の望遠鏡やトランシットなどが並べてあった。『これで a little as....
「朱日記」より 著者:泉鏡花
校での、私の日記だ。 昨日は日曜で抜けている。一週間。」 と颯と紙が刎ねて、
小口をばらばらと繰返すと、戸外の風の渦巻に、一ちぎれの赤い雲が卓子を飛ぶ気勢する....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
の他にはない。このお方がきっとお祖師様なのだよ) (でも妾は一生の大事業の、その
小口に取りかかったのに、こんなお爺さんと連立って、こんなお話をして歩くなんて、よ....
「光は影を」より 著者:岸田国士
改造し、それにバラックを建て増した、見るからに間に合わせという風な工場であるが、
小口の注文が案外多く、機械を休める所がないくらいの繁昌ぶりで、経営次第では、中工....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
く並べて置かれてある。七十挺の旋条銃、一万個入れてある弾薬箱、五十貫目の煙硝箱、
小口径の砲一門、五個に区劃した組立て船、二十挺の自動銃、無数の鶴嘴、無数の斧、シ....
「歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
。三つには、真の意味の批評の一向出て来ないことである。まず三番目の理由から、話の
小口をほぐしてゆく。 歌壇に唯今、専ら行われて居る、あの分解的な微に入り、細に入....
「書籍の風俗」より 著者:恩地孝四郎
ランス装の名が出来ているだけあって日本の本は仮綴でも相当丁寧にかがられているし、
小口などもよくそろえてあるもの少くない。蓋し日本のように再製製本が大部分崩れた本....
「おせん」より 著者:邦枝完二
け蕎麦の一|杯くらいには有りつけるものの、市松に取っては、寧ろ見世に坐って、紙の
小口をそろえている方が、どのくらい楽だか知れなかった。 が、そんな小僧の苦楽な....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
るようになったのである。 もっともこれらは何千という大口らしく、百や十の単位の
小口に対してではなかったのであるが、やがてそれが次第に百や十の、全く忘れられてい....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
取下した分厚な一|綴の註文帳。 膝の上で、びたりと二つに割って開け、ばらばらと
小口を返して、指の尖でずッと一わたり、目金で見通すと、 「そうそうそう、」といっ....
「鮎を食う」より 著者:北大路魯山人
京、大阪の人が得意に頭から骨抜きをやる癖)骨なしの姿をパクパクやったりしないで、
小口かぶりに頭から順次にかぶって食うのが、真に鮎食いの食い方である。もちろん、骨....
「昆布とろ」より 著者:北大路魯山人
ようにきれいにする。次に縦長に幅五分ぐらいに真田紐のように、鋏で切る。それをまた
小口から細く長く五分の糸のように切る(昆布茶の出来合い品のように)。次にかつおぶ....
「三州仕立て小蕪汁」より 著者:北大路魯山人
ろう。そうすると、酒に適する汁をつくることができる。 それにはまず、三州味噌を
小口からサクサクと切る。それを細か目のざるに入れて、だしの中で洗うのである。する....