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小品
「小品〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
小品の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「春」より 著者:芥川竜之介
にある一枚の油画に珍らしさを感じた。それはどこかの庭を描《えが》いた六号ばかりの
小品《しょうひん》だった。白茶《しらちゃ》けた苔《こけ》に掩《おお》われた木々と....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
編輯者 そんな論文はいけません。
小説家 これはどうですか? まあ、体裁の上では
小品《しょうひん》ですが、――
編輯者 「奇遇《きぐう》」と云う題ですね。どんな....
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
多加志《たかし》はやっと死なずにすんだ。自分は彼の小康を得た時、入院前後の消息を
小品《しょうひん》にしたいと思ったことがある。けれどもうっかりそう云うものを作る....
「少年」より 著者:芥川竜之介
わ》の向うに人となった二十年|前《ぜん》の幸福を夢みつづけた。……
この数篇の
小品《しょうひん》は一本の巻煙草の煙となる間に、続々と保吉の心をかすめた追憶の二....
「保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
たぐいである。
ある時彼は二年級の生徒に、やはり航海のことを書いた、何とか云う
小品《しょうひん》を教えていた。それは恐るべき悪文だった。マストに風が唸《うな》....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
うだったろう。その晩一晩だけの君の心持ちをくわしく考えただけで、私は一つの力強い
小品を作り上げる事ができると思う。 しかし親思いで素直な心を持って生まれた君は....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
な心もちを感じた。 それから何年かたったのち、僕は白柳秀湖氏の「離愁」とかいう
小品集を読み、やはり歩兵の靴から出る火花を書いたものを発見した。(僕に白柳秀湖氏....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
なかった。 そこにはたった一枚、K・S氏が携えて来たかの女のむす子のデッサンの
小品が並べられてあるのだ。 かの女を不安にしたのは、いつもその前に人だかりがし....
「豊島与志雄氏の事」より 著者:芥川竜之介
が始めて豊島与志雄と云う名を知ったのは、一高の校友会雑誌に、「褪紅色の珠」と云う
小品が出た時だろう。それがどう云う訳か、僕の記憶には「登志雄」として残った。その....
「可能性の文学」より 著者:織田作之助
色の月」が仕上ったところからはじまるべきで、体験談を素材にして「灰色の月」という
小品が出来上ったことは、小説の完成を意味しないのだ。いわば「灰色の月」という
小品....
「山越しの阿弥陀像の画因」より 著者:折口信夫
戒光明寺のは、伝来正しいらしいだけに、他の山越し像を圧する品格がある。其でも尚、
小品だけに
小品としての不自由らしさがあって、彫刻に見るような堅い線が出て来ている....
「絹と紙の話と師弟の間柄の話」より 著者:上村松園
二、三年前竹杖会の研究会で年に二点は大小に拘わらず是非出品しなければいけないという規則が出来ましたので、いつぞや
小品を一点持出したことがあります。ほんの小さな絵でしたがそれには土坡があって葦が....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
物の史劇をかいて『文芸倶楽部』の編集者に見せると、その編集者はそれまで私の小説や
小品のたぐいを幾たびか掲載してくれたにもかかわらず、脚本ではどうも困るからこれを....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
のありのままを少しも飾らずに暴露けた処に椿岳の画の尊さがある。 椿岳の画は大抵
小品小幀であって大作と見做すべきものが殆んどない。尤もその頃は今の展覧会向きのよ....
「呼ばれし乙女」より 著者:岡本かの子
気狂い染みたと思われる所業も敢てする。現に慶四郎の傑作の一つとなっている新箏曲の
小品「恋薺」は、正月の七草を昔風に姉の仲子にはやして切っていた姉の姿はおかしくも....