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小商人
「小商人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
小商人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「党生活者」より 著者:小林多喜二
的な根拠から同じ地区に下宿を決めることにした。 下宿はどっちかと云《い》えば、
小商人の二階などが良かった。殊《こと》にそれが老人夫婦であれば尚《なお》よかった....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
て、羅生門横町の現場をも取り調べた。ここは山尻町との境で、片側には小さい御家人と
小商人の店とが繋がっているが、昼でも往来の少ない薄暗い横町で、権現のやしろの大榎....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
すまでには同類の袂へすっこかしにして、証拠が無いから逆捻じを遣るでございます、と
小商人風の一分別ありそうなのがその同伴らしい前垂掛に云うと、こちらでは法然天窓の....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
」 「そこで、その女たちは何者です。まったく武家の娘なんですか」 「なに、みんな
小商人や職人の娘で、おとくは十四五の小娘につくっていましたが、実はかぞえ年の十七....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
の表看板は、文字通り表看板にすぎなかった。内川は大量を取扱う卸商とすれば、彼等は
小商人だった。――そんな商売をやる人間がここには一千人からいた。 竹三郎もその....
「工場細胞」より 著者:小林多喜二
こういう無産運動が、外から見る程の華々しい純情的なものでもなく、醜いいがみ合いと
小商人たちより劣る掛引に充ちていることを知った。それは彼に恐ろしいまでの失望を強....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
、少し飲んでも福はある。富貴か、長寿か、おまえの望むところを言ってみろ」 娘は
小商人の子に生まれ、しかもまだ小娘であるので、富貴などということはよく知らなかっ....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
腰に利鎌さしたるを農夫は拝み、阿波縮の浴衣、綿八反の帯、洋銀の簪位の御姿を見しは
小商人にて、風寒き北海道にては、鰊の鱗怪しく光るどんざ布子、浪さやぐ佐渡には、色....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
って街路はまったく暗やみとなって静まり返ってしまう傾向がある。晩に店を開くものは
小商人としてむしろ軽蔑されがちだった。まず大阪の町は暗いのが特長だといっていいか....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
見て、婆さんは後見らるる風情であったが、声を低うし、 「全体あの爺は甲州街道で、
小商人、煮売屋ともつかず、茶屋ともつかず、駄菓子だの、柿だの饅頭だのを商いまする....
「山の湯雑記」より 著者:折口信夫
っと前に開通したばかりの鉄道線が、越後へ通って居る。米阪線と言うので、名は何だか
小商人の屋号のようである。私はほんの此少し前に、此汽車で越後境へ這入って見た。新....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
うので、最もきびしく叱られた。賊が手紙をなげ込むに、歴々の大町人を目指さず、また
小商人の店をも避けて、中流の町家のみを狙ったのもなかなか賢こい遣り方で、その金高....
「戦争責任者の問題」より 著者:伊丹万作
めつづけたかということを考えるとき、だれの記憶にも直ぐ蘇つてくるのは、直ぐ近所の
小商人の顔であり、隣組長や町会長の顔であり、あるいは郊外の百姓の顔であり、あるい....
「小豆島」より 著者:黒島伝治
をとばし、又は、ぞろ/\群り歩いて行く客を見ている。儲けるのは大阪商船と、宿屋や
小商人だけである。寒霞渓がいゝとか「天下の名勝」だとか云って宣伝するのも、主に儲....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ているところなどを見るといかにも下品である。中等下等の婦女子に至っては、いずれも
小商人根性があって些細な事に齷齪する心がその品格までに現われて、何となくこせこせ....