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小売店
「小売店〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
小売店の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
新蔵の浮かない気分を引き立てようとし始めました。そこでその日も母親が、本所界隈の
小売店を見廻らせると云うのは口実で、実は気晴らしに遊んで来いと云わないばかり、紙....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
。擦れ違う人々はびっくりした眼を向けていた。が、赤井の発作は直ぐ止んだ。そして、
小売店、食物店、活動小屋、寄席などが雑然と並び、花見提灯の赤い灯や活動小屋の絵看....
「分配」より 著者:島崎藤村
というのであった。私たちはその特筆大書した定価の文字を新聞紙上の広告欄にも、書籍
小売店の軒先にも、市中を練り歩く広告夫の背中にまで見つけた。この思い切った宣伝が....
「縮図」より 著者:徳田秋声
た。松島と小菊はいつもそのことで頭を悩ました。小料理屋、玉突き、化粧品店、煙草の
小売店、そんな商売の利害得失も研究してみた。彼は洋服屋に懲り懲りした。次第にお客....
「第四次元の男」より 著者:海野十三
としか見えない某百貨店の横をすりぬけ、ついで出来のわるい凸凹の長塀としか見えない
小売店街のいびきの中をよたよたと通って、ついに戸山ッ原の入口にと、さしかかった。....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
こんなに売りくずされているのを見るのはまことに遺憾である。 世間ではこれを単に
小売店の馬鹿競争と見ているようだが、私に言わせれば両会社の責任である。会社自身が....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
としていたら、まことに迂濶なことだと言わねばならぬ。また当時私どもと同じに菓子の
小売店をやっていた人の中で、デパートに品物を納めていた連中は、割合にらくをし金ま....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
どこの酒屋でもコップ酒というものを飲ませたが、近ごろは見かけない。酒の統制以来、
小売店と飲食店の区別が厳重になって法規で取締られているのかも知れないが、馬方なぞ....
「「良書普及運動」に寄せて」より 著者:中井正一
なるのである。 これは、只読者の怠慢ではなくして、一つには金融界の逼迫が、地方
小売店をして、返本を急がしむることが原因であり、一つには、配給機構の転換期の大混....
「図書館法と出版界」より 著者:中井正一
書とカードができるのである。 かかる運動の統一にむかって、出版界、取次界並びに
小売店が手をそろえることで、はじめて一万の公共図書館、三万の学校図書館が出来、か....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
紙屋の店先であった。絵双紙屋というものは今ではまったく亡びてしまったが、小説類の
小売店は即ち絵双紙屋で、その名のごとくに絵双紙を売る傍らに小説類や浄瑠璃の稽古本....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
が邦人古谷駒平氏、ここに十三年前より商店を開き、その名をミカドストアと称し、目下
小売店、卸店両戸を有し、日本の製産を販売して大いに成功せりというを聞き、氏を訪問....
「すみだ川」より 著者:永井荷風
だ明《あかる》いけれどもう日は当っていない。ごたごたした千束町《せんぞくまち》の
小売店《こうりみせ》の暖簾《のれん》や旗なぞが激しく飜《ひるがえ》っている。通り....
「仏法僧鳥」より 著者:斎藤茂吉
凡な田舎村が現出せられた。駕籠のおろされた宿坊は、避暑地の下宿屋のようであった。
小売店で、高野山一覧を買い、直接に鯖を焼くにおいを嗅ぎながら、裏通りにまわって、....
「融和促進」より 著者:喜田貞吉
、境遇が違えば、毎日顔を合わしながら、挨拶一つせずに過ごす場合もある。近所に同じ
小売店が二軒あって、われわれがその一方のみで物を買っても、決して他の店から抗議を....