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小娘
「小娘〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
小娘の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「少年」より 著者:芥川竜之介
け》でもなんでもない。やっと十五か十六になった、小さい泣黒子《なきぼくろ》のある
小娘《こむすめ》である。もとより彼女のこう云ったのは少しでも保吉の教育に力を添《....
「或る女」より 著者:有島武郎
っていた。しみじみとあわれんでくれる人もありそうに思えた。そうした気持ちで葉子は
小娘のようにたわいもなく泣きつづけていた。
その時|甲板《かんぱん》のかなたか....
「或る女」より 著者:有島武郎
て」
「いゝえ」
「なぜ」
「おねえ様の御迷惑になりはしないかと思って」
この
小娘はもうみんな知っている、と葉子は一種のおそれと警戒とをもって考えた。何事も心....
「姪子」より 著者:伊藤左千夫
かった。 村の内でも起きて居た家は半分しか無かった、そんなに早いのに、十四五の
小娘が朝草刈りをしているのだもの、おれはもう胸が一ぱいになった位だ。 「おう誰か....
「隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
を通じ、省作のスガイを十本二十本ずつ刈りすけてやる。おはまはなんといっても十四の
小娘だ。おとよさんのそのしぐさに少しも気がつかない。満蔵はひとりでうたい飽きて、....
「犬」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
りして居る。 その中でこの犬と初めて近づきになったのは、ふと庭へ走り出た美しい
小娘であった。その娘は何でも目に見えるものを皆優しい両手で掻き抱き、自分の胸に押....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
思い切ってそう案内を乞いました。すると、年の頃十五|位に見える、一人の可愛らしい
小娘がそこへ現われました。服装は筒袖式の桃色の衣服、頭髪を左右に分けて、背部の方....
「元禄時代小説第一巻「本朝二十不孝」ぬきほ(言文一致訳)」より 著者:井原西鶴
旅行の暮の僧にて候 雪やこんこん、あられやこんこんと小褄にためて里の
小娘は嵐の吹く松の下に集って脇明から入って来る風のさむいのもかまわず日のあんまり....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
の本屋の店へはいって行った。そこもまたふだんよりも小綺麗だった。唯|目金をかけた
小娘が一人何か店員と話していたのは僕には気がかりにならないこともなかった。けれど....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
い、おい、早くやれ。愚図々々するとぶんなぐるぞ」 「趙司晨の妹はまずい。鄒七嫂の
小娘は二三年たってから話をしよう。偽毛唐の女房は辮子の無い男と寝てやがる、はッ、....
「蜜柑」より 著者:芥川竜之介
く車掌の何か云い罵る声と共に、私の乗っている二等室の戸ががらりと開いて、十三四の
小娘が一人、慌しく中へはいって来た、と同時に一つずしりと揺れて、徐に汽車は動き出....
「最初の出品画」より 著者:上村松園
与せられた。 一等褒状を貰ったときはさすがに嬉しかった。何分当時はまだ十六歳の
小娘でしたから思いもかけなかったのであろう。 当時さる国の皇太子殿下がちょうど....
「土田さんの芸術」より 著者:上村松園
田舎の風俗で、村役場みたいな所に爺さんやお上さん達が税を納めに来てる絵で、一人の
小娘が赤い鼻緒の草履を履いていた。〈春の歌〉は田舎の子供が手をつないで輪になって....
「押しかけ女房」より 著者:伊藤永之介
た。佐太郎の方もまた、村の仲間の秀治と友一との三人連れだつた。子供のオモチヤや、
小娘たちの喜ぶ千代紙やブローチや手提などを、まばゆくきらびやかに照らし出す夜店の....
「釣」より 著者:アルテンベルクペーター
う云ったのは褐色を帯びた、ブロンドな髪を振り捌いて、鹿の足のような足で立っている
小娘である。
小娘は釣をする人の持前の、大いなる、動かすべからざる真面目の態度....