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「小市民〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

小市民の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
春の盗賊」より 著者:太宰治
世に、ロマンチックは、無い。私ひとりが、変質者だ。そうして、私も、いまは営々と、小市民生活を修養し、けちな世渡りをはじめている。いやだ。私ひとりでもよい。もうい....
HUMAN LOST」より 著者:太宰治
片の語なれども、私は、狂っていません。 社会制裁の目茶目茶は医師のはんらんと、小市民の医師の良心に対する盲目的信仰より起った。たしかに重大の一因である。ヴェル....
喝采」より 著者:太宰治
き、困難と思われたる形式だけを、えらんで創り、デパートの紙包さげてぞろぞろ路ゆく小市民のモラルの一切を否定し、十九歳の春、わが名は海賊の王、チャイルド・ハロルド....
虚構の春」より 著者:太宰治
す。良薬の苦味、おゆるし下さい。おそらくは貴方を理解できる唯一人の四十男、無二の小市民、高橋九拝。太宰治学兄。」 下旬 月日。 「突然のおたよりお許....
狂言の神」より 著者:太宰治
もよし、好きな煙草を寝しなに一本、仕事のあとに一服。そのような恥かしくも甘い甘い小市民の生活が、何をかくそう、私にもむりなくできそうな気がして来て、俗的なるもの....
正義と微笑」より 著者:太宰治
幸福感が、一瞬にして、奈落のどん底にたたき込まれたような気がした。ケチな、ケチな小市民根性。彼等のその醜いケチな根性が、どんなに僕たちの伸び伸びした生活をむざん....
柿の種」より 著者:寺田寅彦
字で、これが少し不思議に思われた。 観客はたいてい若い人が多く、旧式ないわゆる小市民の家庭のお嬢さんらしい女学生も、下町ふうな江戸前のおとなしい娘さんたちもい....
思想と風俗」より 著者:戸坂潤
な外交問題を意味するかも知れない。一国の生産機構も、その国の農民(つまり百姓)や小市民などの風俗を描けば、おのずから芸術的に特徴づけられることになるのだ。――大....
技術の哲学」より 著者:戸坂潤
、わが国でも、生産技術家乃至一般技術家達は、彼等自身、現在ブルジョアジー・乃至は小市民・階級の一部分を構成しているのであり、又時代が現在に近づくに従って、ブルジ....
現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
となしに一体どういう文学的進歩をなし得るだろうか。彼はブルジョアジーの足場からも小市民インテリ層自身の足場からもスケールを大きく世界を見渡すことは出来まい。――....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
が》されて、続々として集まる。 凶作義金が婦人団体や学生団やによって集められ、小市民的サラリーマンのポケットからも少なからず吸収されるらしいという現象は、婦人....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
に私を不思議がらせたのは、この人々が、私が日本の社会で私の周囲に見たのと全然同じ小市民的な雑事に追われとおしていることだった。たとえば「何をやらせても駄目な息子....
技術的精神とは何か」より 著者:戸坂潤
どではない。ブルジョアジーはすでに技術的精神について自信を失って了った。わずかに小市民のテクニシャン達の一握りが、多少感傷的な技術礼讃をやっているにすぎない。今....
クリティシズムと認識論との関係」より 著者:戸坂潤
わざるを得なかった。つまり「文化」は大衆によって批判し去られた。 文化の観念が小市民的狭隘さを脱し、それだけではなく十八世紀的な市民性をさえ脱却した処の民主性....
学生の技能と勤労大衆」より 著者:戸坂潤
産大衆の内での、或る特別な層だと云うべきなのである。だから学生を単なる中間層とか小市民であるとか、又そういう意味に於てインテリゲンチャであるとか云うのは、一応本....