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小座敷
「小座敷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
小座敷の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
にはこの夜更《よふ》けにも、まだ火影《ほかげ》のさしているばかりか、話し声のする
小座敷があります。それがあたりの容子《ようす》では、どうしても茶室に違いありませ....
「雛がたり」より 著者:泉鏡花
薄暗い白昼の影が一つ一つに皆|映る。 背後の古襖が半ば開いて、奥にも一つ見える
小座敷に、また五壇の雛がある。不思議や、蒔絵の車、雛たちも、それこそ寸分違わない....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
引込むと、またばたばたばた。 程もあらせず、どこかでねじを圧したと見える、その
小座敷へ、電燈が颯と点くのを合図に、中脊で痩ぎすな、二十ばかりの細面、薄化粧して....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
から、ふと二階を覗くと、階子段の下に、開けた障子に、箒とはたきを立て掛けた、中の
小座敷に炬燵があって、床の間が見通される。……床に行李と二つばかり重ねた、あせた....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
も知れないです。」 五 「それからその人の部屋とも思われる、綺麗な
小座敷へ寝かされて、目の覚める時、物の欲しい時、咽の乾く時、涙の出る時、何時もそ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
のを自分の袂から出している。 「南無阿弥陀仏、ソ、それは、それ、この次の、次の、
小座敷で亡くならしっけえ、どっかの嬢様が書いて貼っただとよ、直きそこだ、今ソンな....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
いや、女中、……追って祝儀はする。ここでと思うが、その娘が気が詰ろうから、どこか
小座敷へ休まして皆で饂飩でも食べてくれ。私が驕る。で、何か面白い話をして遊ばして....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
、逃水ならぬ日脚の流が暖く淀んでいる。 例の写真館と隣合う、向う斜の小料理屋の
小座敷の庭が、破れた生垣を透いて、うら枯れた朝顔の鉢が五つ六つ、中には転ったのも....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
下路である。 二 「何か変ったこともないか。」と滝に臨んだ中二階の
小座敷、欄干に凭れながら判事は徒然に茶店の婆さんに話しかける。 十二社あたりへ....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
ようで、閑古鳥よりは可懐い。 山、海、湖などがもし天然の庭だったら、田圃はその
小座敷だろう。が、何しろ好きでね、……そのせいか、私には妙な事がある。 いつ頃....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
―そこから土間が広くなる、左側が縁で、座敷の方へ折曲って、続いて、三ツばかり横に
小座敷が並んでいます。心覚えが、その折曲の処まで、店口から掛けて、以前、上下の草....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
も何もない。願ったり叶ったり、話は思う壺へはまったのですが。――となりの、あの、
小座敷で、あの、朝顔の、あの朝―― 手細工らしい桔梗の肘つきをのせて、絵入雑誌....
「山吹」より 著者:泉鏡花
に入って、衣服を着てばかりはいられませんから、裸体で壁に附着きました。そのほか、
小座敷でも広室でも、我家の暗をかくれしのぶ身体はまるで鼠のようで、心は貴方の光の....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
、心地よげに、久しぶりに見惚れていた。もっともその間に、遊廓の窓だの、囲いものの
小座敷だの、かねて照準を合わせた処を、夢中で覗く事を忘れない。それにこの器は、新....
「活人形」より 著者:泉鏡花
忍び戸を拵え置き、それより間道への抜穴など、旧き建物にはあることなり。人形の後の
小座敷もこれと同じきものなるべし。 こは怪しやと思いながら、開きたる壁の外を見....