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小手
「小手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
小手の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
はたいしたものでげす。あの手合いの書くものには天然自然の人間が出ていやす。決して
小手先の器用や生《なま》かじりの学問で、でっちあげたものじゃげえせん。そこが大き....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
は綱利の前で、晴れの仕合《しあい》をする事になった。始《はじめ》は甚太夫が兵衛の
小手《こて》を打った。二度目は兵衛が甚太夫の面《めん》を打った。が、三度目にはま....
「校正後に」より 著者:芥川竜之介
必ず生まれそうに思われる。今年は必ず何かある。何かあらずにはいられない、僕らは皆
小手しらべはすんだという気がしている。(以上新思潮第二年第一号)
(大正五年三月―大正六年一月)....
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
合に数馬《かずま》は負けたのじゃな?」
「さようでございまする。多門《たもん》は
小手《こて》を一本に面《めん》を二本とりました。数馬は一本もとらずにしまいました....
「少年」より 著者:芥川竜之介
も不相変《あいかわらず》人通りを絶たないらしい。主人も――綺麗に髪を分けた主人は
小手調《こてしら》べをすませた手品師《てじなし》のように、妙な蒼白い頬《ほお》の....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
は、二人の夫等の乗れる船にして、且つ死骸の俤に似たのを、妙子に隠して、主税は高く
小手を翳した。 その夜、清水港の旅店において、爺は山へ柴苅に、と嬢さんを慰めつ....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
ごとき妙義山の錦葉に対して、ハッと燃え立つ緋の片袖。二の腕に颯と飜えって、雪なす
小手を翳しながら、黒煙の下になり行く汽車を遥に見送った。 百合若の矢のあとも、....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
に、私たちは窓から視た。人数に抱上げらるるようになって、やや乱れた黒髪に、雪なす
小手を翳して此方を見送った半身の紅は、美しき血をもって描いたる煉獄の女精であった....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
たような絵じゃが、余吾将軍維茂ではない。見さっしゃい。烏帽子素袍大紋じゃ。手には
小手、脚にはすねあてをしているわ……大森彦七じゃ。南無妙、」 と豊かに目を瞑っ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ございます。 大体天狗の働きはそう大きいものではないらしく、普通は人間に憑って
小手先きの仕事をするのが何より得意だと申すことでございます。偶には局部的の風位は....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
熱燗をぐっと引っかけて、その勢いで寝るんですな。ナイフの一|挺なんざ、太神楽だ。
小手しらべの一曲さ。さあ、一つ。」 「やどへ行て。」 「成程。」 「あんたはん、....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
で草の生乱れた土橋から、宿の玄関へ立ったのでしたっけ。――(さあ、どうぞ。)が、
小手さきの早業で、例のスリッパを、ちょいと突直すんじゃない、うちの女房が、襷をは....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
と廻った。 「汝、業畜生、」と激昂の余り三度目の声は皺嗄れて、滅多打に振被った、
小手の下へ、恐気もなく玉の顔、夜風に乱るる洗髪の島田を衝と入れて、敵と身体の擦合....
「活人形」より 著者:泉鏡花
でて雪の下へと引返せば、とある小路の小暗き処に八蔵は隠れいつ、銀平の来かかるを、
小手で招いて、「おい、ここだよ。」 お藤は得三の手籠にされて、遂には帯も解け広....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
勝るとも劣らなかったのであろう。何でも先生に学んだ一人は武徳会の大会に出、相手の
小手へ竹刀を入れると、余り気合いの烈しかったために相手の腕を一打ちに折ってしまっ....