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小旗
「小旗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
小旗の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
、同じ花かんざしを、女は髪に男は襟《えり》にさして先達《せんだつ》らしいのが紫の
小旗《こばた》を持った、遠い所から春を逐《お》って経《へ》めぐって来たらしい田舎....
「星座」より 著者:有島武郎
み箱のように肩にかついでいた。そして右の手には鼠色になった白木綿《しろもめん》の
小旗を持っているのだが、その
小旗には「日本服を改良しましょう。すぐしましょう」と....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ろに屋敷を構えていたのであるから、昔ここに住んでいたという臼井なにがしはよほどの
小旗本であろう。武家屋敷のうちに祭られているのは、まず稲荷の祠が普通である。二人....
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
ど快活になった。 「みなさん。大丈夫よ。いまじき晴れて来ますわよ」 小初が赤い
小旗を振って先に歩き出すと、雨で集りの悪い生徒達の団体がいつもの大勢の時より、も....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ずいた。「八月二十四日の朝、小石川|御箪笥町に屋敷を持っている、今井善吉郎という
小旗本の中間武助が何かの用で七ツ半(午後五時)頃に、この高源寺門前を通りながら、....
「応仁の乱」より 著者:菊池寛
陣を攪乱させたと云う。 亦面白いのは彼等将士の風流である。即ち紅絹素練を割いて
小旗を作り、各々歌や詩を書いて戦場に臨んだと記録にある。 その上、兵士達には、....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
た…… そこへ笠を深くかぶった、草鞋穿きの、猟人体の大漢が、鉄砲の銃先へ浅葱の
小旗を結えつけたのを肩にして、鉄の鎖をずらりと曳いたのに、大熊を一頭、のさのさと....
「暗号数字」より 著者:海野十三
ほど一目でそれと知れる官庁自動車だった。ラジエーターの上には官庁のマークの入った
小旗がたてられていた。 「ああこれだな」 と思った折しも、車が帆村の前にぴたり....
「ストリップ修学旅行」より 著者:小野佐世男
おうぞ、ドレス・メーカーの春の旅行といった姿である。隣りに乗り込んだ何かわからぬ
小旗を振る団体は、それ一升ビン、それビールだ、酒のさかなだと、まるで華々しく、こ....
「城」より 著者:カフカフランツ
くほどたやすくよじ登ることができた。それまで何度もはねつけられていた場所で、彼は
小旗を歯のあいだに挾んで、その塀を一気によじ登ったのであった。まだ砂利が彼の足も....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
鉄砲ばかりを持って行く兵士もある。で鎧兜の上にはいずれも一人一本ずつ銘々色変りの
小旗を挾してごく綺麗な装束です。むしろ戦場に臨んで戦争をやるというよりは
とい....
「娘」より 著者:岡本かの子
の浅草寺の五重塔は、今戸側北岸の桜や家並に隠れて彼女の水上の位置からは見えない。
小旗を立て連ねた松屋百貨店の屋上運動場の一角だけが望まれる。崖普請をしている待乳....
「犬と人と花」より 著者:小川未明
下にあめ売りが屋台を下ろしていました。屋台に結んだ風船玉は空に漂い、また、立てた
小旗が風に吹かれていました。そこへ五つ六つの子供が三、四|人集まって、あめを買っ....
「子供の時分の話」より 著者:小川未明
な気持ちがしなかった。そのそばへいって、屋台にさしてあるいろいろな色紙で造られた
小旗の風になびくのを見たり、チャルメラの音を聞こうと思いました。また、きっとよそ....
「空色の着物をきた子供」より 著者:小川未明
供らは、目を丸くしてそのじいさんの周囲に集まって、片方の箱の上に立てたいろいろの
小旗や、不思議な人形などに見入ったのです。 なぜなら、それらは不思議な人形であ....