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「小歌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

小歌の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
小田原陣」より 著者:菊池寛
。 此の時小早川隆景進言して言うのに、父の毛利元就が往年尼子義久と対陣した際、小歌、踊り、能、噺をやって長陣を張り、敵を退屈させて勝つことが出来たと言った。秀....
走れメロス」より 著者:太宰治
だ。そんなに急ぐ必要も無い。ゆっくり歩こう、と持ちまえの呑気さを取り返し、好きな小歌をいい声で歌い出した。ぶらぶら歩いて二里行き三里行き、そろそろ全里程の半ばに....
シナーニ書店のベンチ」より 著者:宮本百合子
のあるチェホフが、独身暮しの医者が、双眼鏡をとって海上の艦隊を眺める。 町では小歌劇、蚤の見世物。クニッペルがひらひらのついた流行型《アラモード》のパラソルを....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
う。家康も亦一寸変なことをする人である。氏郷の父の賢秀というのは、当時の日野節の小歌に、陣とだに云えば下風《げふ》おこる、具足を脱ぎやれ法衣《ころも》召せ、と歌....
風流仏」より 著者:幸田露伴
遣い一トつせず、おのが手作りの弁天様に涎流して余念なく惚れ込み、琴三味線のあじな小歌は聞もせねど、夢の中には緊那羅神の声を耳にするまでの熱心、あわれ毘首竭摩の魂....
おとずれ」より 著者:国木田独歩
の事なり、われはたやすくこれを信ずるあたわざるのみ。 十蔵はその片目を細くして小歌うたいつ、たちまち卓を打ちて、君よかの問いの答えはいかにしたまいしとその片目....
小夜啼鳥」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
そこの場にきておいでになることと、おもっていたからでした。 「いや、あっぱれなる小歌手、さよなきどりくん。」と、侍従長はいいました。「こんばん、宮中のえんかいに....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
マン魂《ゲミュート》が無尽蔵にみなぎっている、雨滴のように数多い歌曲《リード》や小歌曲の白けた臭気を、一掃してくれないか。それらのものは無数にあった。慾望、郷愁....
女大学評論」より 著者:福沢諭吉
内を外にするの時間にして、即ち醜体《しゅうたい》百戯、芸妓と共に歌舞伎をも見物し小歌浄瑠璃をも聴き、酔余《すいよ》或は花を弄ぶなど淫《ウカ》れに淫れながら、内の....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
得たいのが私の休学の動機だったのだからだ。 当座は寺々を訪ねたり、渡しを渡って小歌島や、向島へ行ったりして遊んだ。恋人のない私は姉と並んで歩くのが好きであった....
藪の鶯」より 著者:三宅花圃
えも得手勝手に取りなして聞く時は。身を乱だすこともあるべし。いやしき賤《しず》が小歌も心をとめて聞く時は。おしえにならざるはなし。げにその地にあらざれば。これを....
レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
の外に立っていて、外を見る私の眼をさえぎっている、鳥が飛んでも雲が歩いても、風に小歌が響いて来ても、木の葉に時雨が降りかかっても、蝶が散る花に囁いても、私はただ....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
けた町の廓の上を、 雲の飛ぶのを見ています。 「わしが小鳥であったなら。」こんな小歌を 昼はひねもす夜はよもすがら歌っています。 どうかするとはしゃいでいる。大....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
の中には短歌が厳然と形を保っている。のみならず、『梁塵秘抄』や『閑吟集』や隆達の小歌にまで短歌形式は崩れずに伝わってゆく。が、それだけに古体を存したということに....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
などが、一代に何度という晴の席へ出ては、自分もアエをして盃を勧め、所望によっては小歌などの、その場の情景にひたと合ったものを、朗らかに歌い出すことがあった。それ....