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小片
「小片〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
小片の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「放送された遺言」より 著者:海野十三
時に彼の背後から下肢へかけて焼けつくような激しい痛みをおぼえたが、なおさまざまの
小片がパラパラと眼前に飛んでくるのがわかった。 咄嗟に彼は気がついた。 「しま....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
に環状をなして集まった。渦動は止みなく旋転を続けているうちにこの固態の輪は破れて
小片となり、それらが円く丸められて各々球形の質塊となり、種々の遊星、衛星(並びに....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
あいていて、そこから振綱の下にかけて、わずかではあるが、剥がれ落ちたらしい凝血の
小片が散在していることであった。しかし、法水はそれには一|瞥をくれただけで、振綱....
「什器破壊業事件」より 著者:海野十三
たからであった。 がちゃんと、たいへんな音がして、コーヒー茶碗の皿がたくさんの
小片に分れて、あたりに飛びちった。茶碗の方は、小憎らしくも、把手が折れたばかりだ....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
殺しの現場に落ちていた血痕も、これを顕微鏡下に調べてみれば、そこに特徴ある粘膜の
小片が発見されたに違いなかったのである。さもなければ分析試験を俟って多量のグリコ....
「太郎坊」より 著者:幸田露伴
うたが及ばない、見れば猪口は一つ跳って下の靴脱の石の上に打付って、大片は三ツ四ツ
小片のは無数に砕けてしまった。これは日頃主人が非常に愛翫しておった菫花の模様の着....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
微笑みながら註釈を加えた。 「その証拠には、尖鋭な武器で強打した場合だと、周囲に
小片の骨折が起るし、創口が可成り不規則な線で現われる。所が、この屍体にはそれがな....
「花束の虫」より 著者:大阪圭吉
の海水靴が心持強く土の中へ喰入った時に剥げ落ちたであろう極めて小さな臙脂色の漆の
小片を拾い上げて、二人の眼の前へ差出した。そして、 「勿論、こんなにお誂え向きに....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
て現われたのである。彼は氷の土手にうつむきに倒れていた。多くの小さな氷柱や、雪の
小片が、倒れている彼の上に吹きつけて、黒い水兵着の上にきらきらと光っていた。 ....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
のところへ手をやって、黒くなった一筋の紐を取り出した。その紐には摺んである襤褸の
小片が結びつけてあった。彼はそれを膝の上で気をつけて開けた。中にはほんの少しの髪....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ている尼僧の屍体も玉幡も経机も、すべて金泥の花弁に埋もれていて、散り敷いた数百の
小片からは、紫磨七宝の光明が放たれているのだ。ああ、まさにこれこそ、観無量寿経や....
「もう軍備はいらない」より 著者:坂口安吾
みとって火のかからない方へ投げた。※屋のオヤジがガラを投げこむ石油カンの中に肉の
小片を見つけてヒョイとつまんで肉のザルの方へ投げる時でも、この火葬係りほど大らか....
「暗夜の格闘」より 著者:小酒井不木
をやります。いいですか、この中へこれを入れますよ」 こう言って俊夫君が白金線の
小片を液体の中へ入れると、白金はかすかな音をたてて、見る間にとけてしまいました。....
「坑鬼」より 著者:大阪圭吉
砕されてしまう。落盤の恐るべき理由も又そこにあるのであって、僅かの間を落ちて来る
小片でも、どうかすると人間の指など卵のようにひしゃいでしまう。その事を知っていた....
「たぬき汁」より 著者:佐藤垢石
食穢には狸、狼、羚羊を食った人に、五日間の穢れありとしてあるが今晩は鰊糟にも劣る
小片のみで、狸をたらふく食ったわけではないのだから、祟りのほども少ないであろうと....