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「小牛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

小牛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
富士」より 著者:岡本かの子
にして狩り取り、湧玉の水のほとりに待受けていて、女を見ると、屠《ほふ》り殺した。小牛ほどの熊を引ずって来て、それに掌で搏たれ、爪で掻れながら彼は、組打ち、小剣で....
姪子」より 著者:伊藤左千夫
小高い所にあるから一寸《ちょっと》見ても涼しそうな家さ、おれがいくとお町は二つの小牛を庭の柿の木の蔭《かげ》へ繋《つな》いで、十になる惣領《そうりょう》を相手に....
栗の花の咲くころ」より 著者:佐左木俊郎
かしみず》は、歩いて行っても、三時間で行けるところだった。汽車もあるにはあるが、小牛田《こごた》で東北本線に乗り換え、瀬峯《せみね》まで行ってから軽便鉄道で築館....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
かしら? 日光、弥勒夜叉、福原文蔵、石川竜右衛門、赤鶴重政、日氷忠宗、越智吉舟、小牛清光、徳若忠政、こういう人達の作られたような、『十作』のようなものは出来ない....
前哨」より 著者:黒島伝治
めようとして、腰をのばすと浜田は、溝を距てゝ、すこし高くなった平原の一帯に放牧の小牛のような動物が二三十頭も群がって鼻をクンクンならしながら、三人をうかがってい....
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
急いだ。 番小屋は谷を下りたところにあった。そこへ行く前に沢の流れに飲んでいる小牛、蕨を採っている子供などに逢った。牛が来て戸や障子を突き破るとかで、小屋の周....
湖水の女」より 著者:鈴木三重吉
から灰色のお前も、 王さまのところから来た、 白い牝牛も、 その小さい黒い小牛も、早くお出で。 さあさあみんなでかえりましょう。」 こう言ってよびます....
四日間」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
脚は水腫に脹上り、脚絆の合目からぶよぶよの肉が大きく食出し、全身むくみ上って宛然小牛のよう。今日一日太陽に晒されたら、これがまア如何なる事ぞ? こう寄添っていて....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
《とよま》という北上川沿岸の地から出張し、子の弥一右衛門清久は大崎の古河城、今の小牛田《こごた》駅より西北の地から出張して、佐沼の城の後詰を議したところ、一揆の....
人造人間エフ氏」より 著者:海野十三
リ子はびっくりして、あっと叫ぶなり、正太の腕にすがりついた。見れば、それは一頭の小牛ほどもあろうという猛犬だった。 「これ、ダップ。あっちへゆきなさい」博士は、....
幽霊船の秘密」より 著者:海野十三
愕きが、二人を待っていた。 「あっ、豹だ! 黒豹が死んでいる!」 船艙の隅に、小牛ほどもあろうという大きな黒豹が、見事に額を撃ちぬかれて、ぐたりと長くのびてい....
岡の家」より 著者:鈴木三重吉
男の子をさそって、お家の牛を見せてくれました。それは、ひたいに白い星のある、黒い小牛でした。男の子はじぶんのお家の、四つ足の白い、栗の皮のような赤い色の牛のこと....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
ごとをテキパキ手際よく処理なさる方? そして、それが容姿にあらわれて、スラリと、小牛ぐらいも大きくてユッタリとしたペルシャ犬のような方かしら」 「そうかも知れま....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
頭がまわらねえやな。魔獣というのは何だえ」 「さ。そのことでござるよ。大なること小牛のごとく、猛きこと熊も狼も及び申さぬ。世に奇ッ怪な大犬でござるよ。グレートデ....
次郎物語」より 著者:下村湖人
るとからだをふるわせた。声だけは、いかにも蝉らしかったが、からだのほうは、まるで小牛が身ぶるいしているような格好だった。みんな腹をかかえて笑った。その笑い声の中....