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小猫
「小猫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
小猫の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
それが実に変なお話でね、まあ、聴いてください」 いつまでも膝にからみ付いている
小猫を追いやりながら、老人はしずかに話し出した。 文久二年の秋ももう暮れかかっ....
「「紋」」より 著者:黒島伝治
毛の所々に黒い紋がついていた。ばあさんは肥った無細工な手でなでてやった。まだ幼い
小猫時代には、毛は雪のように純白で、黒毛の紋は美しかった。で、「紋」という名をつ....
「思い出の記」より 著者:小泉節子
夏の初めに、北堀と申す処の士族屋敷に移りまして一家を持ちました。 私共と女中と
小猫とで引越しました。この
小猫はその年の春未だ寒さの身にしむ頃の事でした、ある夕....
「猫と色の嗜好」より 著者:石田孫太郎
たる範囲に於ては、猫は赤色を愛するものと言うても差支はないのである。 猫|殊に
小猫は赤色を愛すとすれば、首環や涎掛の類は赤いのが第一である、又
小猫が赤い首環を....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
ぬれて戦いでいました。(大正3・9「木太刀」) 磯部の若葉 きょうもまた無数の
小猫の毛を吹いたような細かい雨が、磯部の若葉を音もなしに湿らしている。家々の湯の....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
へ蓋を載せる。私達は「手鍋提げても」という俗謡にあるような生活を眼のあたり見た。
小猫は肉の香を嗅ぎつけて新聞紙包の傍へ鼻を押しつけ、亭主に叱られた。やがて私達の....
「軍用鼠」より 著者:海野十三
は翠色のリボンが結びつけてあった。そして小さな鈴がリンリンと鳴った。この可愛いい
小猫は、ワイトマンの隠し女アンナから胡魔化して借りてきたものであった。悪人相手の....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
そ入って、ずうずうしく上り込んで、追ってもにげるような優しいんじゃない。 隣の
小猫はまた
小猫で、それ井戸は隣と二軒で使うもんだから、あすこの隔から入って来ちゃ....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
る。 新子は、ぼんやり二階の居間から、外を眺めている。 路次の水たまり、黒い
小猫がぴょんぴょんと水溜をさけて、隣の生垣の下をくぐった。茶色の雨マントを着た魚....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
お仏壇の前に、寝しなのお勤行をしておった尼の膝に抱きついた。これがや、はや、に、
小猫が身を揉むように、 ――助けて下さい、お媼さん―― と、いいか、 ――....
「磯部の若葉」より 著者:岡本綺堂
今日もまた無数の
小猫の毛を吹いたような細かい雨が、磯部の若葉を音もなしに湿らしている。家々の湯の....
「勝ずば」より 著者:岡本かの子
ような表情に見えていた。用を失って萎えた政枝の手足は、多可子がそっと触ってみると
小猫の手足のように軽くてこたえがなかった。多可子はこの病には若くて瑞々しい者ほど....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
どの日も同じ祭日です。
小才を利かせて、大満足をして、
尻尾を※えてくるくる廻る
小猫のように、
てんでに狭い間を踊っています。
※
頭痛でもする日の外は、
心配....
「民衆芸術の精神」より 著者:小川未明
ないなつかしさが籠る。そして季節は秋の末であろうか、ストーヴには火が燃えている。
小猫が、安心をして、其の傍に火の方を向いて坐っている。 ミレーは、独り、この絵....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
人がお嬢さまにお化粧をしておあげになっているのでした。がしかし、お嬢さまの顔は、
小猫がセメント樽へ首を突込んだような顔になっているのでした。 おかしいのを堪え....