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小猿
「小猿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
小猿の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「出家とその弟子」より 著者:倉田百三
なたをまっすぐに見ています。あなたの本体を知りたいと願っています。 顔蔽いせる者
小猿の知識でな。ものの周囲をまわるけれど決してものの中核にはいらない知識でな。 ....
「血の文字」より 著者:黒岩涙香
科は又暫し考えし末、忽ち衣嚢を探りて先刻のコロップを取出し宛も初めて胡桃を得たる
小猿が其の剥方を知ずして空く指先にて拈り廻す如くに其栓を拈り廻して「何にしても此....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
まいました。仕済ましたりとあざわらいながら、李は壁にかけてある宝剣をとって、大猿
小猿あわせて三十六匹の首をことごとく斬り落しました。 残る三人の美女も妖怪のた....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
王山と見ている内に、橋板をことこと踏んで、 向の山に、猿が三|疋住みやる。中の
小猿が、能う物饒舌る。何と小児ども花折りに行くまいか。今日の寒いに何の花折りに。....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
だしては手を戻すのであった。 「ああ辛い。とんだ貧乏籤をひいたものだ。あの日本の
小猿め、早くくたばっちまえばいいものを。そうすれば俺はこの部屋から出ていっていい....
「流線間諜」より 著者:海野十三
とき、それが不可解なる唯一の材料だった点からして、油断をなさず「赤毛のゴリラ」が
小猿を使って燐寸函の奪還をはかったよりも前にひそかにその函の中から数本の燐寸の棒....
「小公女」より 著者:菊池寛
た。――「東印度水夫だ。」と、セエラはすぐ思いました。――彼の胸もとには、一匹の
小猿がまつわりついていました。さっき聞いた妙な音は、
小猿の声だったのでした。 ....
「木曽の旅人」より 著者:岡本綺堂
焚火に枝を加えて、壜の酒を徳利に移した。父にふり放された太吉は猿曳きに捨てられた
小猿のようにうろうろしていたが、煙りのあいだから旅人の顔を見ると、またたちまち顫....
「人造物語」より 著者:海野十三
み引きぬき、これに呼吸をかけてフウーッと吹きとばすと、ああら不思議、その数だけの
小猿になったという話がある。これは人造人間でなくて、猿造猿公であるが、これも同じ....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
ことが出来るのじゃからのう。――もう打撲傷は癒っているかもしれない。……これこれ
小猿よ立ってごらん」 言葉に連れて地に倒れていた猿が、毬のように飛び上り、宙で....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
幹を伝って丘へ下りた。そして林へはいって行った。 林に住んでいる獣のうち山羊や
小猿はよく慣れて毎日小屋の辺へ集まって来た。そして私から餌を貰っては喜んでそれを....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
とんとしていた。 「あんさんは、ようものを饒舌ってや。」 (向の山に猿が三匹)の
小猿にされて、八郎はぽかんとした。 身勝手な事を……しかも酔っていて饒舌ったの....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
十万円の借金――勘弥の死――新蔵の死――菊之助の死――最後の小町姫 「暁雨」と「
小猿七之助」 歌舞伎劇の最高潮――渋蛇の目の流行――丑之助のおなみ――諸新聞の攻....
「明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
俳優にて、菊之助と共にその死を惜しまる。 ○七月、歌舞伎座にて菊五郎、福助らが「
小猿七之助」を上演。卑猥残忍の批難攻撃甚しく、遂に警視庁の注意を受けて半途休業。....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
現ず。尾長猿の牝鍋の傍に蹲り、鍋の中を掻き廻し、煮え越さぬやうにす。尾長猿の牡と
小猿等とはその傍に蹲り、火に当りゐる。天井と四壁とは魔女の用ゐる極めて異様なる器....