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「小督〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

小督の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
虞美人草」より 著者:夏目漱石
《だいひかく》の温泉などは立派に普請《ふしん》が出来て……」 「そうですか」 「小督《こごう》の局《つぼね》の墓がござんしたろう」 「ええ、知っています」 「彼....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
の毒そうに調子を合わせる。 「なるほど、こりゃ困る。論より証拠音が出るんだから、小督《こごう》の局《つぼね》も全くこれでしくじったんだからね。これがぬすみ食をす....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
が通い、汽車が通い、要するに殺風景なものになり果てた。最早三船の才人もなければ、小督や祇王祇女|仏御前もなく、お半長右衛門すらあり得ない。 「暮れて帰れば春の月....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
かけると序の舞やら楽やら舞うけに面白いがのう。ハテ。何にしようか。今度一度だけ『小督』にしようか。うむ、『小督』にしよう『小督』にしよう。『土蜘』もええが糸の投....
菊人形」より 著者:宮本百合子
と云えば、あのどっさりの菊人形の見世ものの中で何があったろう。常盤御前があった。小督《こごう》があった。袈裟御前もあった。一九〇五年に、団子坂の菊人形はそういう....
「平家物語」ぬきほ(言文一致訳)」より 著者:作者不詳
あやまりしにもあるべし。上童は少女の中宮などに奉仕し又は女房にも召し仕へしなり。小督 葵の前の事があって主上が大変御歎きになったので中宮から沢山の御看病の女房....
郷愁の詩人 与謝蕪村」より 著者:萩原朔太郎
あり、それを理解する限りにおいて、彼のすべての句は皆|佳《よ》いのである。例えば小督局《こごうのつぼね》の廃跡を訪うて咏《よ》んだという句、 うきふしや竹の子と....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
、花は謡曲の「高野物狂」で、いずれも桜痴居士の新作である。仲国はむろん団十郎で、小督局が秀調、小女房|冷泉が新蔵、「高野物狂」では高師四郎が団十郎、児龍若が女寅....
私本太平記」より 著者:吉川英治
のなにを語りましょうな。特にお好きな曲は」 「さあ……。祇園精舎の初語りもよし、小督、忠度都落ち、宇治川、敦盛、扇ノ与一。どれも嫌いなものはないの」 「大原御幸....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
。――西行、文覚、池ノ尼、待賢門院、信西、為義、妓王妓女と仏御前――なお先々には小督の局、康頼の出家、滝口と横笛の出家、維盛の出家、建礼門院の出家など、かず限り....