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「小石川〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

小石川の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
ち上った。 「そうか。じゃ先生はもう御出かけになりましたでしょうかってね。番号は小石川《こいしかわ》の×××番だから、――」 賢造の言葉が終らない内に、洋一は....
或る女」より 著者:有島武郎
生垣《いけがき》の多い、家並《やな》みのまばらな、轍《わだち》の跡のめいりこんだ小石川《こいしかわ》の往来を歩き歩き、憤怒の歯ぎしりを止めかねた。それは夕闇《ゆ....
或る女」より 著者:有島武郎
だれにとも何にともなく息気《いき》を引き取る前に内田の来るのを祈った。 しかし小石川《こいしかわ》に住んでいる内田はなかなかやって来る様子も見せなかった。 「....
外科室」より 著者:泉鏡花
ろはまだ医科大学に学生なりしみぎりなりき。一日《あるひ》予は渠《かれ》とともに、小石川なる植物園に散策しつ。五月五日|躑躅《つつじ》の花盛んなりし。渠とともに手....
幸運の黒子」より 著者:海野十三
かる注射を、あたしの下宿へ午前八時二十分までにおいでくだせれば半額でいたします。小石川区××町つぼみアパート七号室 唐崎《からさき》みどり』 半平の顔が、だら....
婦系図」より 著者:泉鏡花
縁日の空が取囲んで押揺がすごとく、きらきらと星がきらめいて、それから富坂をかけて小石川の樹立の梢へ暗くなる、ちょっと人足の途絶え処。 東へ、西へ、と置場処の間....
西湖の屍人」より 著者:海野十三
とを聞いてみる余裕もなく、その薬壜をまた元のポケットに収いこんだ。 2小石川の音羽に近く、鼠坂という有名な坂があった。その坂は、音羽の方から、小日向台....
菎蒻本」より 著者:泉鏡花
八 「で、その初会の晩なぞは、見得に技師だって言いました。が、私はその頃、小石川へ勤めました鉄砲組でございますが、」 「ああ、造兵かね、私の友達にも四五人....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
であった。 「あの、どうも、勿体なくて、つけつけ申しますのも、いかがですけれど、小石川台町にお住居のございます、上杉様、とおっしゃいます。」 「ええ、映山先生。....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
な臆測が許されるが、左母二郎が浪路を誘拐して駕籠を飛ばして来たは大塚から真直ぐに小石川の通りを富坂へ出て菊坂あたりから板橋街道へ出たものらしい。円塚山はこの街道....
仲々死なぬ彼奴」より 著者:海野十三
化学研究所へ入って、無機化学実験室の助手をつとめることになったのである。 彼は小石川の御殿町にある大熊邸門前の花久の二階から、毎朝テクテク歩いて、二十町もある....
式部小路」より 著者:泉鏡花
切れの雲が、動いて、その面を渡るに斉しい。秋も半ば過ぎの、日もやつ下りの俤橋は、小石川の落葉の中に、月が懸かった風情である。 空の蒼々したのが、四辺の樹立のま....
雪柳」より 著者:泉鏡花
小石川|白山のあたりに家がある。小山|弥作氏、直槙は、筆者と同郷の出で、知人は渠....
妖怪玄談」より 著者:井上円了
、その入れたる方を下にし、これを机または畳の上に据え置くなり、云云。 府下牛込小石川辺りにてなすところを聞くに、「麻糸の中に婦人の髪の毛三筋入れ、その縄を七五....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
器でなかったから、これも早くから一癖あった季の弟の米三郎と二人して江戸へ乗出し、小石川は伝通院前の伊勢長といえばその頃の山の手切っての名代の質商伊勢屋長兵衛方へ....