小糠雨[語句情報] » 小糠雨

「小糠雨〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

小糠雨の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
新版 放浪記」より 著者:林芙美子
うねとおっしゃったきりだった。やがて、私は、お二人に別れた。二人に別れて、やがて小糠雨《こぬかあめ》を羽織に浴びながら、団子坂の文房具屋で原稿用紙を一|帖《じょ....
共同耕作」より 著者:宮本百合子
、小気味がいいやら! 若いとめは体じゅう燃えるような気持だ。共同耕作の三十人は、小糠雨の中を躍るようにマンノーを振りかぶり、猶も、 うなっちゃえ! うなっち....
伸子」より 著者:宮本百合子
た。伸子はその夜は赤坂へ戻った。 朝になると、昨夜は星が綺麗に見えていたのに、小糠雨《こぬかあめ》が降っていた。その中に、とよが、傘もささず、池を覗いていた。....
長崎の印象」より 著者:宮本百合子
るといきなり云うことには、 「――どうだった? プティ・ペダント」 二時頃から小糠雨が降り出す。長崎に切支丹伝道が始って間もなく建った、とーどのさんた寺の跡だ....
長崎の一瞥」より 著者:宮本百合子
長崎は雨の尠いところだそうだのに、今朝も、雲母《きらら》を薄く張ったような空から小糠雨が降って居る。俥で、福済寺へ行く。やはり、南京寺の一つ、黄檗宗に属す。この....
化鳥」より 著者:泉鏡花
ふちがひやりとして、冷たい風が頬を撫でた。 その時仮橋ががたがたいって、川面の小糠雨を掬うように吹き乱すと、流が黒くなって颯と出た。といっしょに向岸から橋を渡....
放浪記(初出)」より 著者:林芙美子
しばしばさせて、「そうね……。」私はお二人に別れようと思った。 二人に別れて、小糠雨を十ちゃんの羽織に浴びながら、団子坂の文房具屋で、原稿用紙を一帖買ってかえ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
うこの歌が誘う真実なさけびもまにあわなかった。……まもなく、二月二十六日の春寒い小糠雨の朝は明けていた。 尊氏は魚見堂を出、敗残の兵千ばかりが、その前後にした....