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小者
「小者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
小者の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吉良上野の立場」より 著者:菊池寛
。 「そらっ!」 人々が立ち上った。玄関の式台、玄関脇には、士《さむらい》が、
小者が、つつましく控えていた。玄関の石の上に置いた黒塗りの駕から上野介が出て、出....
「蘭学事始」より 著者:菊池寛
れに返っていた。彼らが急いで帰り支度にかかっている時だった。中川淳庵の私宅から、
小者が赤紙の付いた文箱を持って、駆けつけてきた。 淳庵は、その至急を示した文箱....
「仇討三態」より 著者:菊池寛
いって、出かけて行った。 家老や用人たちは、表座敷の方でうち寛いでいた。中間や
小者や女中などは、台所の次の間で、年に一度の公けの自由を楽しんでいた。 二更を....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
血紅色の陣羽織を纏い、鞭を握った武士が一人、車の横に付き添っている。轅を曳くのは
小者である。車はそろそろとして進んで来る。 尼は吠えるように叫び出した。雷のよ....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
どんなにか泣いたろう。何てッて頼んでも、母様は肯入れないし、父様は旅の空。家来や
小者はもうみんなが母様におべっかッてるんだから、誰一人|執成してくれようと云うも....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
をあがめて云う時か、又はこっちが他を嚇かすときに用いることばで、表向きの呼び名は
小者というんです。
小者じゃ幅が利かないから、御用聞きとか目明しとかいうんですが、....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
一この無心を聞きとらない時は、屹と思い知らせるから覚悟しろ。あるじは勿論、家内の
小者にいたるまで、日が暮れてから外へ出たらば命はないものと思え。それを恐れて夜中....
「眠る森のお姫さま」より 著者:楠山正雄
人、コック長、料理番から、炊事係、台所ボーイ、番兵、おやといスイス兵、走り使いの
小者までのこらず、杖でさわりました。それから、おなじようにして、べっとうといっし....
「織田信長」より 著者:坂口安吾
に角力と鷹狩は餓鬼大将の時から死に至るまでの大好物、天下統一の後もハダカになって
小者と角力をとっていた男であった。 ケンカ達者の餓鬼大将は、その要領で戦争して....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
ア」 「なんの方角だえ?」 と花廼屋が虎之介の心眼に挑戦するが、虎之介はこんな
小者は歯牙にもかけない様子。 「犯人が手裏剣をうった方角だ。田舎通人には分るまい....
「前記天満焼」より 著者:国枝史郎
「これ、気をつけろ」 「真平御免」 互いに相手を透かしたが、 「おっ、今朝方の
小者ではないか」 「あ、あの時のお武家様で」 「どうしたどうしたあわただしい」 ....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
て挫くのである。一刀流の一巻書にいわく「気はあたかも大納言のごとく、業はさながら
小者のごとし」と。その大納言の気合をもって、切っ先挫きに挫くのであった。
で、....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
遂に海岸線まで人垣が移動到達したが、次兵衛の姿はどこにもなかった。彼をかくまった
小者の姿もなかった。 彼に随行していた
小者(塩焼きかね)与一郎という者は三十五....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
ろうか。 野郎どもが狸だかイタチだかネズミだかわからないようなチョロチョロした
小者ばかりになって、かりにも獅子とか虎とかワニとかウワバミのような大者がいなくな....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
――――――――――― 覚 一 男貮人 安喜香我美南郡はかせ頭赤岡村 足田市太
小者共 右市太夫先祖代代安喜香我美南郡はかせ頭役仕来候由、依者也、 元禄貮己 ....