小脇[語句情報] » 小脇

「小脇〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

小脇の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
町通りは電車も馬車も通じなかった。彼は――十二歳の小学生は弁当やノオト・ブックを小脇《こわき》にしたまま、大橋図書館へ通う為に何度もこの通りを往復した。道のりは....
玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
う?」 たまたまこの家の前を通りかかった、髪の毛の長い画学生は細長い絵の具箱を小脇《こわき》にしたまま、同じ金鈕《きんボタン》の制服を着たもう一人の画学生にこ....
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
べのぼる》が尋ねて来た。袴羽織《はかまはおり》に紫の風呂敷包《ふろしきづつ》みを小脇《こわき》にしているところでは、これはおおかた借りていた書物でも返しに来たの....
」より 著者:芥川竜之介
減は家族中の予想を超越《ちょうえつ》していた。彼女は華奢《きゃしゃ》な画の具箱を小脇《こわき》に、篤介と同じ研究所へ毎日せっせと通《かよ》い出した。同時にまた彼....
犬と笛」より 著者:芥川竜之介
寸法師《いっすんぼうし》の悪者なのです。 そこで髪長彦は、前のように二匹の犬を小脇《こわき》にかかえて御姫様と一しょに黒犬の背中へ跨りながら、 「飛べ。飛べ。....
路上」より 著者:芥川竜之介
か腰を擡《もた》げ兼ねていると、哲学概論を担当している、有名なL教授が、黒い鞄を小脇に抱えて、のそのそ外からはいって来てしまった。 L教授は哲学者と云うよりも....
」より 著者:芥川竜之介
には出来ませぬ。が、そこは年のちがいでございましょう。間もなく、娘が、綾と絹とを小脇《こわき》にかかえて、息を切らしながら、塔の戸口をこっそり、忍び出た時には、....
溺れかけた兄妹」より 著者:有島武郎
ぴったり抱かれていました。 私たち三人は濡れたままで、衣物《きもの》やタオルを小脇《こわき》に抱《かか》えてお婆様と一緒に家の方に帰りました。若者はようやく立....
星座」より 著者:有島武郎
た。道庁から退けてきた人、郵便局、裁判所を出た人、そう思わしい人人が弁当の包みを小脇に抱えて、園とすれちがったり、園に追いこされたりした。製麻会社、麦酒《ビール....
婦系図」より 著者:泉鏡花
旦那様。と、にょっと出た、お源を見ると、取次に出ないも道理、勝手働きの玉襷、長刀小脇に掻込んだりな。高箒に手拭を被せたのを、柄長に構えて、逆上せた顔色。 馬鹿....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
ましっけな。」 と横ざまに浴せかけると、訓導は不意打ながら、さしったりで、杖を小脇に引抱き、 「学校へ通うのに足場が悪くって、道が遠くって仕様がないから留めた....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
うではないか。 美しい女は屹と紳士を振向いた。 「貴方。」 若い紳士は、杖を小脇に、細い筒袴で、伸掛って覗いて、 「稲荷だろう、おい、狐が化けた所なんだろう....
」より 著者:池谷信三郎
いたい慾望が、彼女のか弱い肉体の中に、生を繋ぐただ一本の銀の糸となって、シイカは小脇に抱えた籠の中の鳩に、優しい瞳を落したのだった。 9 一台の馬車....
親ごころ」より 著者:秋田滋
にお辞儀をした。そして浄めのお水を差しだすと、その男は年をとったほうの婦人の腕を小脇にかかえるようにした。 (この男はあの若い女の許嫁なのだな) 彼はそう思っ....
活人形」より 著者:泉鏡花
けましょう。「くれぐれも脱心なよ。「合点だ。と鉄の棒の長さ一尺ばかりにて握太きを小脇に隠し、勝手口より立出しが、この家は用心厳重にて、つい近所への出入にも、鎖を....