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「小萩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

小萩の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
山椒大夫」より 著者:森鴎外
》を食べながら、身の上を打ち明けて、姉妹《きょうだい》の誓いをした。これは伊勢の小萩《こはぎ》といって、二見が浦から買われて来た女子である。 最初の日はこんな....
雛妓」より 著者:岡本かの子
二階のわたくしの書斎へ導いた。 雛妓は席へつくと、お土産といって折箱入りの新橋小萩堂の粟餅を差し出した。 「もっとも、これ、園遊会の貰いものなんだけれど、お土....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ら茸の名所となってはいるが、そこで取れる茸は、松茸《まつたけ》、湿茸《しめじ》、小萩茸《おはぎたけ》、初茸《はつたけ》、老茸《おいたけ》、鼠茸《ねずみたけ》とい....
源氏物語」より 著者:紫式部
まごまと書いておありになった。 宮城野《みやぎの》の露吹き結ぶ風の音《おと》に小萩《こはぎ》が上を思ひこそやれ という御歌もあったが、未亡人はわき出す涙が....
源氏物語」より 著者:紫式部
た。 南の御殿のほうも前の庭を修理させた直後であったから、この野分にもとあらの小萩が奔放に枝を振り乱すのを傍観しているよりほかはなかった。枝が折られて露の宿と....
源氏物語」より 著者:紫式部
。時雨が時をおいて通って行くような日の夕方であった。 牡鹿鳴く秋の山里いかならん小萩が露のかかる夕暮れ こうした空模様の日に、恋する人はどんなに寂しい気持ちにな....
源氏物語」より 著者:紫式部
ことのできぬふうはさすがにしているため、どう答えるかためそうと思い、 しめゆひし小萩が上もまよはぬにいかなる露にうつる下葉ぞ と取り次がせてやると、少将は姑を....
東上記」より 著者:寺田寅彦
八月二十六日床を出でて先ず欄干に倚る。空よく晴れて朝風やゝ肌寒く露の小萩のみだれを吹いて葉鶏頭の色鮮やかに穂先おおかた黄ばみたる田面を見渡す。薄霧北....
大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
い出して三味線を取り上げると、さっきの続きを弾き出した。 ※雁がとどけし玉章は、小萩のたもとかるやかに、へんじ紫苑も朝顔の、おくれさきなるうらみわび…… ちょ....
光は影を」より 著者:岸田国士
まで往き来していた一人の女性、実は、この七年間、文字どおり夢にまでみつゞけた味岡小萩の家が、ひよつとすると残つていはせぬかという好奇心が、激しく彼をゆすぶつたの....
怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
、去歳の落葉が底に積って、蠑※の這うのが手近くも見えた。 萱や、芒や、桔梗や、小萩や、一面にそれは新芽を並べて、緑を競って生え繁っていた。その上で荒熊の如き武....
俳人蕪村」より 著者:正岡子規
も》る夜の砧かな 蘭夕狐のくれし奇楠《きゃら》を※《たか》ん 小狐の何にむせけん小萩原 小狐の隠れ顔なる野菊かな 狐火の燃えつくばかり枯尾花 草枯れて狐の飛脚《....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
暁おきの木々のしづくに 新古今 一〇 秋風はいたくな吹きそわが宿のもとあらの小萩ちらまくも惜し 時雨の雨いたくな降りそ紅ににほへる山の散らまく惜しも 万葉....
赤い土の壺」より 著者:田中貢太郎
が来ると密にこの別院に隠れて、冷たい清水の湧く庭前の池に水浴するのであった。 「小萩は来て肩を打て」 義竜がちょと体をずらして云ったので、左の後にいた少女が団....