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小謡
「小謡〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
小謡の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
な」
蔑《さげす》むともなく、呟いた平馬、――自分もひどく楽しそうに、橋弁慶の
小謡《こうたい》を、柄《つか》に扇子で、軽く拍子を取りながら、口ずさんで、月の無....
「名娼満月」より 著者:夢野久作
過ぎましょうぞい」 「これこれ。煽立てやんな。落ちぶれたなら声も落ちつろう。ただ
小謡よりも節が勝手で気楽じゃまで……」 「恐れ入りまする。それならば思い立ったが....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
が残っている。 ◇ 翁は初心者が復習する事を禁じた。新しい
小謡を習った青少年達が帰りがけに翁の表門を出ると、直ぐに大きな声で嬉しそうに連吟....
「能とは何か」より 著者:夢野久作
平民的であり得るところまで、単純素朴化され、純真純美化されている。 この道理は
小謡の一節、囃子の一クサリ、舞の一と手を習っても、直に不言不語の裡にうなずかれる....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
よ。四海波静かにて、波も動かぬ時津風、枝を鳴らさぬ御代なれや、と勿体ない、祝言の
小謡を、聞噛りに謳う下から、勝負!とそれ、銭の取遣り。板子の下が地獄なら、上も修....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
の耳のようにおったてる小舞《こまい》を、能の狂言師をまねいて踊りだしたが、そんな
小謡《こうたい》は父が汗を出して習うより早く、障子《しょうじ》にうつる影を見て、....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
――見るに手も足も出ない鈴川源十郎着流しに銀拵えの大小をグイとうしろに落として、
小謡《こうた》を口に小名木川の橋を過ぎながら、ふと思いついたのが麻布《あざぶ》我....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
せたが、一緒に捨て石から腰を上げた。その時まで遠々しく聞こえていた、嘉門の酔った
小謡の声が、だんだんこっちへ近寄って来て、藤棚の向こう側まで来たかと思うと、にわ....
「山吹」より 著者:泉鏡花
ウイスキーを一煽りに、吻と息す)爺さん、肴をなさいよ。 人形使 口上|擬に、はい
小謡の真似でもやりますか。 夫人 いいえ、その腐った鯉を、ここへお出しな。 人形....
「三国志」より 著者:吉川英治
情をうけたまわるがよい」 「おのれ、笑ったな」 「笑わざるを得ない」 「盗ッ人の
小謡というやつ。もう堪忍ならぬ」 りゅうりゅうと矛をしごいて、ふたたび関羽に突....