小躍り[語句情報] » 小躍り

「小躍り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

小躍りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
《おとっ》さんが、生き返った。」 童部《わらべ》は竹馬を抛り出すと、嬉しそうに小躍りして、また父親の傍へ走りよりました。が、その手で抱《だ》き起されるまでもな....
蘭学事始」より 著者:菊池寛
ござるまい」と、助言してくれた。 ターヘルアナトミアを自分のものにして、玄白は小躍りして欣んだ。 三 三月三日のことであった。玄白は、その日も長崎屋へ出向い....
船医の立場」より 著者:菊池寛
三日前から、港内を測量した結果、停泊の位置を変えたらしかった。寅二郎と重輔とは、小躍りして欣《よろこ》んだ。その上、弁天堂のすぐ真下の渚《なぎさ》に、二隻の漁舟....
勝負事」より 著者:菊池寛
人が、一度は経験して知っておられることと思いますが、私もその話を先生からきくと、小躍りしながら家へ帰って来ました。帰って両親に話してみますと、どうしても、行って....
若杉裁判長」より 著者:菊池寛
寛大に失するくらいでありました。裁判長が若杉判事だと知ると、事情を知った被告は、小躍りして欣《よろこ》ぶまでになりました。 世人を戦慄させたような極悪人の場合....
雪中富士登山記」より 著者:小島烏水
神経は、急に幾倍の鋭さを加え、杖を力に延び上って、日本アルプス大山系を手招きして小躍りした。 「寒いも寒いが、見晴しも大したもんだ……」と私の方へ顔を向けて、「....
仇討三態」より 著者:菊池寛
ら、直之進が再び籠に乗るのを待ったのである。 彼は、敵の在り処を突き止めると、小躍りしながら、すぐ京を立って、伏見から三十石で大坂へ下った。が、その夜遅く、兄....
乱世」より 著者:菊池寛
の形勢をきくことを、欲していたのであった。 妻のおもとは、格之介の不時の帰宅を小躍りして欣んだ。格之介も、自分の行動がいい結果に終ったことを欣んだ。厳密にいえ....
小田原陣」より 著者:菊池寛
は此の時、遙か後の山上に立ち、あれを見よ、あれを見よとばかりに指さし、臀を引捲り小躍りしたと云うから、相当に目覚しい攻撃振りだと思われる。もっとも臀をまくるのは....
光の中に」より 著者:金史良
さんのようになるのだった。甲は肩にのり、乙は腕にすがりつき、丙はしきりに私の前を小躍りしながらはね上る。幾人かは私の洋服や手を引張り、或は後から声を立てて押しや....
霜凍る宵」より 著者:近松秋江
目見ると、心にうなずいて、 「この機会をいつから待っていたか知れぬ」と、心の中に小躍りしながら、そこの廻り角のところでどっちに行くであろうかと、ほかに人通りのな....
再度生老人」より 著者:佐左木俊郎
、再度生老人が置いて行ったのだと言って、新聞紙に包んだ巻き物を渡された。 私は小躍りするようにして、顫える手先で静かに展いて見た。 それは、梅の木の下に立っ....
天衣無縫」より 著者:織田作之助
だけど、どういう訳かその年になるまでついぞ縁談がなかったのだもの、まるでおろおろ小躍りしているはたの人たちほどではなかったにしても、矢張り二十四の年並みに少しは....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
たばかりに発信したが、あの高麗丸から海岸の西瓜の山を瞥見してそれこそ子供のように小躍りした鮮新さや、青や白や鼠色ランチの馳せちがう、やや煙で黒っぽい油絵風の画趣....
秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
返した。左手に狭い谷が現われて、板を張り詰めたように平な赤土色の岩盤の上を、水は小躍りしながらトットと落ちて来る。奥を覗いて見たがすぐ右折しているので見えなかっ....