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「小道〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

小道の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
をして、もちろん自分が行ってみるといい張った。 実はその日、葉子は身のまわりの小道具や化粧品を調《ととの》えかたがた、米国行きの船の切符を買うために古藤を連れ....
或る女」より 著者:有島武郎
気が付いて、眉《まゆ》をひそめながら振り返った。ざわざわと葦《あし》を分けながら小道を登って来る足音がして、ひょっこり目の前に木部の姿が現われ出た。葉子はその時....
星座」より 著者:有島武郎
答えることもできなかったが、答えようともしなかった。 やがて咳をしるべに純次が小道を下りてきた。孵化場《ふかじょう》から今帰りがけのところとみえて、彼が近づく....
演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
一人もいないことがわかるような撮り方をする傾向があるから注意を要する。) ○衣裳小道具などを俳優が勝手に注文してはいけない。 ○俳優がはじめて扮装して現われた場....
少年探偵長」より 著者:海野十三
。春木は、その石段をのぼることをわざとさけ、横の方についている草にうずもれた急な小道をのぼっていった。もちろん姿を見られないためだった。 崖の上にのぼりついて....
流線間諜」より 著者:海野十三
前かも知れないが……。 「ああ、有ったぞ!」 帆村はいつも身嗜みとしていろんな小道具を持っていた。彼はチョッキのポケットから燐寸函ぐらいの懐中電灯をとりだした....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
。」 と頬被が声を掛けた。 奴は、とぼけた目をきょろんと遣ったが、 「ちぇ、小道具め、しようがねえ。」 と高慢な口を利いて、尻端折りの脚をすってん、刎ねる....
革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
しその貞淑を思わせる初々しい、高等な高島田に、鼈甲を端正と堅く挿した風采は、桃の小道を駕籠で遣りたい。嫁に行こうとする女であった。…… 指の細く白いのに、紅い....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
言でそうむきになって、腰のものを振廻すなよ。だから振られるんだ、遊女持てのしない小道具だ。淀屋か何か知らないが、黒の合羽張の両提の煙草入、火皿までついてるが、何....
黒百合」より 著者:泉鏡花
けて売物という札を貼ってあった、屋台を一個、持主の慈悲で負けてもらって、それから小道具を買揃えて、いそいそ俵町に曳いて帰ると、馴れないことで、その辺の見計いはし....
赤いくつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
た。その日はうららかに晴れていました。カレンとお年よりの奥さまとは、麦畑のなかの小道を通っていきました。そこはかなりほこりっぽい道でした。 お寺の戸口のところ....
カメラに関する覚え書」より 著者:伊丹万作
考慮と測定、それに付随するあらゆる細心の注意、画面の調子に関するくふう、セット・小道具・衣裳・俳優の肉体などあらゆる色調ならびに線の調和などに対する関心、および....
白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
い杉の森が見える農家の屋根、桑の畑、水車、小流、そこが下湯島の村で、石垣に沿える小道を通って、私どもは宗忠の家に立よった。 下湯島の村は、数年前全戸殆ど火の禍....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
停める。島の谷にそって緑あざやかなこけがおのずとじゅうたんの趣をなす。さらに石の小道をのぼって山腹に至れば、天然の洞穴があり、洞内から外の天地が浮き出すように見....
鷺娘」より 著者:大倉燁子
子は人差指を唇にあて、 「云うときかないよ、殺しちゃうから」 そこに落ちていた小道具の短刀を突きつけて威した。 恰度その時、舞台ではまゆみが火焔模様の襦袢に....