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小金
「小金〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
小金の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
のに違いなかった。「あの爺さんも本望だったろう。若い妾《めかけ》も持っていれば、
小金もためていたんだから。」――彼等は誰も同じようにこんなことばかり話し合ってい....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
どうだろう。あの師匠はちっとは金を持っていたらしいか」 「あの慾張りですからね。
小金を溜めていたでしょうよ」 「情夫でもあった様子はねえか」 「この頃は慾一方の....
「あやつり裁判」より 著者:大阪圭吉
殺人事件ってのは、なんでも、目黒あたりの或るサラリー・マンが、近所に暮している、
小金を持った後家さんを殺したと云う事件なんですがね……これが又、その、証拠が不充....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
て教員室にしゃべり散らした。 「白いひげを長くたらした爺さんなんですよ。いかにも
小金をためているという風に見えましたね。そういえば、福々しい顔なんだけれど、どこ....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
です。…… その妹だね、可いかい、私の阿母が、振袖の年頃を、困る処へ附込んで、
小金を溜めた按摩めが、ちとばかりの貸を枷に、妾にしよう、と追い廻わす。――危く駒....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
のがある、知ってるかい。」 「見ないが、聞いたよ。」 「樋口一葉、若松|賤子――
小金井きみ子は、宝玉入の面紗でね、洋装で素敵な写真よ、その写真が並んだ中に、たし....
「巴里の秋」より 著者:岡本かの子
食料品店で働き抜いた五十五、六の男の自然に枯れた声も秋風のなかにふさわしい。男は
小金を貯めた。多くの巴里人のならわし通りこの男も老後を七、八十|里巴里から離れた....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
んだ妻がなかなか経済家であった為に遠い以前から相当の財産を作って、商売の傍らには
小金を貸しているという噂もあった。それは別に彼の信用を傷つけるほどの問題でもなか....
「鐘ヶ淵」より 著者:岡本綺堂
き違いがあるかも知れない。その話は大体こうである。 享保十一年に八代将軍吉宗は
小金ヶ原で狩をしている。やはりその年のことであるというが、将軍の隅田川|御成があ....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
婦そろってなかなかの稼ぎ屋だったので、世帯をもってしばらくたった頃には、どうやら
小金もできた。ただ、夫婦のなかには、どうしたことか、子宝がなかった。二人にとって....
「米」より 著者:犬田卯
つつあった。町の肥料商の倉庫には確かに相当のストックがあることを彼も信じていた。
小金の廻る連中は、すでにその方面から若干のものを手に入れて、どしどしと田を植えて....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
ていたんですよ。おいささんはもう十年ばかり後家を通している働きもんでね、いくらか
小金もためているという評判もあるンですがね。あれで少し顔でも人並みだと、まさか誰....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
雑棒を振廻す、形相あたかも狂者のごとく、いや、ごとくでない、正に本物である。蓋し
小金も溜って、家だけは我物にしたというから、人一倍、むしろ十倍、宵啼に神経を悩ま....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
あげると竹内式部、山県大弐の勤王学者、絵師英一蝶、「絵島生島」の生島新五郎、侠客
小金井小次郎など多士多彩だ。しかしこれらの流罪名士の中の英雄はなんといっても源為....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
にぎらしてくれた。またビールの空びんや割れた皿などをこっそり廃品回収業者に売って
小金をためる手も覚えた。 だがある日、すずのへちゃげた皿を廃品回収業者に売ると....