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小閑
「小閑〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
小閑の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鴎」より 著者:太宰治
ちだけに言える言葉であって、戦地の兵隊さんには、何も言えない。くたくたに疲れて、
小閑を得たとき、蝋燭《ろうそく》の灯の下で懸命に書いたのだろう。それを思えば、芸....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
果つるとは思われません。洛北岩倉の秋日の昼は、閑の閑たるものであります。 この
小閑を利用して、少しく時代の知識の註釈のために、慶応三年という年に、この篇に関係....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
ら急に自分の家にもゆかず長谷川|氏《うじ》をたずねて来たのである。いそがしい父の
小閑《ひま》を見ては膝《ひざ》をすりあわせるようにして座りこんでいた。いつも鉱山....
「ピンカンウーリの阿媽」より 著者:豊島与志雄
忙中の
小閑、うっとりと物思いに沈む気分になった時、いたずらにペンを執って、手紙でも書い....
「朱絃舎浜子」より 著者:長谷川時雨
浜子、来年は箏を弾いてから五十年になるから、祝いをしたいと思うといって来た浜子。
小閑を得て訪《おと》ずれると、二階へともなって、箏を沢山たてた、小間《こま》の机....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
倉の城主細川|忠興の家職であるから、寺へ来る日は、もちろん縁者の命日とか、公務の
小閑に、杖を曳いて来るのである。 江戸から七、八里あるので、一泊になる場合もあ....
「三国志」より 著者:吉川英治
味と情熱はふかくなっていた。 この頃―― ようやくそのほうも一段落して、身に
小閑を得ると、彼はふと思い出して、 「そうだ――時に例の関羽は、都へきてから、な....
「三国志」より 著者:吉川英治
、わざと彼の繁忙を妨げて云った。 「茶か。そうだな、一ぷく喫しようか」 「忙裏の
小閑は命よりも尊し――とか。こういう時、一|喫の茶は、生命をうるおします」 「と....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
されてゆかれそうな惧れがある。 薔薇を植えた者が、自ら薔薇を刈るに似ているが、
小閑の鋏で、あちこち、少し史実と創意の枝とを剪定して、この一輯を束ねておくことに....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
なく、信長からそれをもらうことは、 ――汝もまたこれくらいな物は持って、忙中の
小閑、茶などして心を養え。 という資格を付与されたことにもなるからであった。茶....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
本斗の一夜ですっかり興が醒めて、やはり団員と共に大泊へ廻航したが安全だし、半日の
小閑をぬすんで、沖釣にでも出かけようかとなった。それが朝になると、咄嗟に横断の議....