» 小間使

「小間使〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

小間使の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
良夜」より 著者:饗庭篁村
所の細民の娘なり。形は小さなれど年は十五にて怜悧なり。かの事ありしのち、この家へ小間使というものに来りしとなり。貧苦心配の間に成長したれど悪びれたる所なく、内気....
或る女」より 著者:有島武郎
でその良人《おっと》の書斎に行こうと階子段《はしごだん》をのぼりかけると、上から小間使いがまっしぐらに駆けおりて来て、危うく親佐にぶっ突かろうとしてそのそばをす....
或る女」より 著者:有島武郎
た。前にも書いたように葉子は一目見た時からつやが好きだった。台所などをさせずに、小間使いとして手回りの用事でもさせたら顔かたちといい、性質といい、取り回しといい....
婦系図」より 著者:泉鏡花
が出来た。その一組が当河野家へ来揃うと、この時だけは道子と共に、一族残らず、乳母小間使と子守を交ぜて、ざっと五十人ばかりの人数で、両親がついて、かねてこれがため....
海異記」より 著者:泉鏡花
てなんぞいるものかね。」 「いまに解きます繻子の帯とけつかるだ。お姫様だって、お小間使だって、そんなことは構わねえけれど、船頭のおかみさんが、そんな弱虫じゃ不可....
黒百合」より 著者:泉鏡花
である。 三 「いらっしゃいまし。」 縁側に手を支えて、銀杏返の小間使が優容に迎えている。後先になって勇美子の部屋に立向うと、たちまち一種身に染....
外科室」より 著者:泉鏡花
方《かた》に赴《おもむ》くとき、むこうより戸を排してすらすらと出で来たれる華族の小間使とも見ゆる容目《みめ》よき婦人《おんな》二、三人と、廊下の半ばに行き違えり....
三枚続」より 著者:泉鏡花
中へ苦笑を包んで、 「可し、」と頷いて見せたので、葭戸を閉ててすっと消える。 「小間使でありますよ。」と教えたが、耐りかねたか、ふふと笑った。青年の茫然拍子抜の....
春昼」より 著者:泉鏡花
るぐる巻きに胸高は沙汰の限。前のは御自分ものであろうが、扱帯の先生は、酒の上で、小間使のを分捕の次第らしい。 これが、不思議に客人の気を悪くして、入相の浪も物....
政談十二社」より 著者:泉鏡花
に入ったものをという主張をして、華族でも、士族でも、町家の娘でも、令嬢でもたとい小間使でもと言ったことをここに断っておかねばならぬ。 何かしら絆が搦んでいるら....
南地心中」より 著者:泉鏡花
方が(今のは!)ッて一件は。それ、奴を一人、お供に連れて、」 「奴を……十五六の小間使だぜ。」 「当地じゃ、奴ッてそう言います。島田|髷に白丈長をピンと刎ねた、....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
よりの目的なんでね。 来たてには、手荷物の始末、掃除の手伝いかたがた、馬丁と、小間使と女中と、三人が附いて来たが、煮炊が間に合うようになると、一度、新世帯のお....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
眼を集中し、番町女王としての艶名は隠れなかった。良人沼南と同伴でない時はイツデモ小間使をお伴につれていたが、その頃流行した前髪を切って前額に垂らした束髪で、嬌態....
すり替え怪画」より 著者:海野十三
を連発した。 「なにしろ御承知のように零落して居りまして、雇人と申しては年とった小間使お種と、雑用の爺や伝助とだけです。僕は毎夜この書斎で画を見て、その後で自分....
什器破壊業事件」より 著者:海野十三
いて、 「――さて、貴女に頼みたい仕事のことなんですがね。或るお屋敷で、主人公が小間使をさがしているのです。尤も、前にいた小間使の娘さんは、僕が買収して、親の病....