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小間使い
「小間使い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
小間使いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
でその良人《おっと》の書斎に行こうと階子段《はしごだん》をのぼりかけると、上から
小間使いがまっしぐらに駆けおりて来て、危うく親佐にぶっ突かろうとしてそのそばをす....
「或る女」より 著者:有島武郎
た。前にも書いたように葉子は一目見た時からつやが好きだった。台所などをさせずに、
小間使いとして手回りの用事でもさせたら顔かたちといい、性質といい、取り回しといい....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
に出養生をしている。台所働きの下女はあるが、ほかに手廻りの用を達《た》してくれる
小間使いのような若い女がほしい。年頃は十七、八で、あまり育ちの悪くない、行儀のよ....
「青木の出京」より 著者:菊池寛
れて、ぼんやり机にもたれていると、後の襖が、音も無く開かれたと思うと、聞き馴れた
小間使いの声がして、 「旦那様が、ちょっと御用です」と、いった。 「はあ」と答え....
「ニッケルの文鎮」より 著者:甲賀三郎
はあたしだけといってよい位だったわ。そりゃああたしがお侠だからだけれども、先生の
小間使いですもの、そりゃどうしたって診察所との交渉が多いわよ。ええ、こりゃ漢語よ....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
くれるものはあるまいかと、心待ちに待っているのだがな」 その時、襖が静かにあき
小間使いが顔を現わした。 「江戸からのお飛脚でございます」 「江戸からの飛脚? ....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
あさようで、それはそれは、しかし拙者は江戸へ帰れば、父の邸へ入るつもりで」 「お
小間使いとなって住み込みます」君江は益※長閑そうである。 「驚きましたな」と小一....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
た。 小姓を見ると碩寿翁は「おやッ」とばかりに声を上げた。 と、すぐに一人の
小間使いが、菓子盆を恭しく持って来て、二人の間へしとやかに置いた。 「碩寿翁」と....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
だろうそのお品も、二、三日前に松本伊豆守へ、用人の手から引き上げられてしまった。
小間使いという名義の下に、どうやら妾にされたようであった。 お篠は派手な性質で....
「染吉の朱盆」より 著者:国枝史郎
しているが、顔に無数の痘痕のある可成り醜い男が立っている。 「はい」と現れたのは
小間使い「何かご用でございますか?」 「突然で不躾ではございますが、もしやお屋敷....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
て物語った盗難の話は紋太郎の好奇心を少からず唆った。 ――勝れて美しい若い女を
小間使いとして雇い入れたところ、思いがけなくもその女が二の腕かけて背中一杯朱入り....
「銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
所にあった。 「お帰り遊ばせ」と若党がいった。 「ああ」と受けて部屋へはいった。
小間使いが茶を淹れて持って来た。 「お父様は?」と弓之助は訊いた。 「はい、ご書....
「大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
小堀義哉は裏座敷で、清元の『山姥』をさらっていた。 と、襖がつつましく開いて、
小間使いのお花が顔を出した。 「あの、お客様でございます」 「お客様? どなただ....
「赤格子九郎右衛門の娘」より 著者:国枝史郎
復し、卜翁の好意ある進めに従い、穢わしい商売から足を洗い、一つは卜翁への恩返し、
小間使いとして働くことになり、病気と云って誰にも逢わず離れ座敷に引き籠もっている....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
眼の老人は説明した。 「二十日ほど前に来たお客さんなのさ。嘉門の可愛がっているお
小間使いと、ちちくり合ったのが逆鱗にふれて、ここへぶちこまれた若造なのだ。女が恋....