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「小風〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

小風の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
の梢とある中に、わずかに百日紅の枝とすれすれな所を舞った。 大風来い、大風来い。小風は、可厭、可厭…… 幼い同士が威勢よく唄う中に、杢若はただ一人、寒そうな懐....
政談十二社」より 著者:泉鏡花
そこを不便だと思ってくれますか、間を見てはちょこちょこと駆けて来て、袂からだの、小風呂敷からだの、好なものを出して養ってくれます深切さ、」としめやかに語って、老....
扉の彼方へ」より 著者:岡本かの子
、母は娘の私を頼むより仕方がなかったのでした。私の少しばかりの身の廻り品を纏めて小風呂敷包みにして、それを抱えおじさんのように私に附添って母のところへ送り返した....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の店を出てまた引っ返してくると、途中で若い女に逢った。それはおとわの家の女中で、小風呂敷を持って何か買物にでも出てゆくらしかった。 「お千代さん、お千代さん」 ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ありそうだと思いましたが、別にどうすると云うわけにも行きません。買い物の助惣焼を小風呂敷につつんで店を出ると、そこへ通りかかって、やあ、親分と声をかける者があり....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
ものかと思ったはつは、柄杓の水を手にかけて、腰の手拭でよくも拭かずに、もう前から小風呂敷に手廻りの物を包んで置いたのを取るなり、薄暗い勝手口から出ようとしました....
岡ふぐ談」より 著者:佐藤垢石
珍饌中の珍饌に数えられてある。また一名『岡ふぐ』ともいう。 二、三日後、老友は小風呂敷の包みを持ってやってきた。包みを解くと、竹の皮に家鶏の抱き肉のような白い....
食べもの」より 著者:佐藤垢石
なさい」 生まれてはじめて、娘はお巡りさんにとがめられたのだ。手をふるわして、小風呂敷を開いたのである。中に、少量の甘藷があった。 「これは飛んでもない。一体....
松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
居て下さい、少しの間に往って来ますから」 と母の枕元に手当をして、両褄取って、小風呂敷に萠黄金襴の金入を包み、帯の間へ※んで戸に倚り掛って居る。 武「これはお....
旧主人」より 著者:島崎藤村
纏《はんてん》には襟垢《えりあか》の附くのを気にし、帯は撫廻し、豆腐買に出るにも小風呂敷を被《か》けねば物恥しく、酢の罎《びん》は袖に隠し、酸漿《ほおずき》鳴し....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
おくれ、私が売って見るから」というので、子供ながら手伝い、或る玩具を製え、それを小風呂敷に包んで縁日へ出て売り初めたのです。 そのおもちゃというのは、今では見....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
小沢松五郎を伴れ(上野戦争のはなしの条にて、半さんの家へ私と一緒に参った小僧)、小風呂敷に包んだものを持って吾妻橋へ行きました。川施餓鬼の船がテンテンテンテンと....
南北の東海道四谷怪談」より 著者:田中貢太郎
「これは忝ない」伊右衛門は貼りかけていた提燈を投げ棄てるようにして、長兵衛から小風呂敷の包みをもらい「して、小平めは」 其処へ関口官蔵と中間の伴助が、小平を....
足迹」より 著者:徳田秋声
は気爽に、「ハイ。」と言って、水口の後の竿にかかっていた、塩気の染み込んだような小風呂敷を外して瓶を包みかけたが、父親の用事をするのが、何だか小癪のようにも考え....
悲しい誤解」より 著者:豊島与志雄
、憐れなのだ。縁につながる私自身にも、その憐れさがはね返ってくる。 鞄の中に、小風呂敷包みの弁当をつっ込んで、私は電車までの道を急いだ。やきいも、やきいもだ。....