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小首
「小首〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
小首の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
《つばくら》が軽々と流れている。――
「どこへ行こう。」
外へ出て、思わずこう
小首を傾けた太郎は、ふとさっきまでは、自分が沙金《しゃきん》に会うつもりで、猪熊....
「春」より 著者:芥川竜之介
や》よ。」
辰子はまともに姉の顔を見たまま、彼女の恋愛問題を話し出した。広子は
小首《こくび》を傾けながら、時々返事をする代りに静かな点頭《てんとう》を送ってい....
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
へ、盗みにはいるにも当りますまい。しかしその金高《きんだか》を申しますと、甚内は
小首《こくび》を傾けながら、今夜の内にはむずかしいが、三日も待てば調達しようと、....
「早春」より 著者:芥川竜之介
色の白いばかりか、しなやかに指を反《そ》らせている。殊にあの時の笑い声は――彼は
小首を傾けた三重子の笑い声を思い出した。
二時|四十《しじっ》分。
二時|四....
「或る女」より 著者:有島武郎
なく、この青年に一種の淡々《あわあわ》しい愛を覚えた。
「何を泣いてらしったの」
小首を存分傾けて、少女が少女に物を尋ねるように、肩に手を置きそえながら聞いてみた....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
辱《はず》かしめかたをしたのだと判《わか》った。笠井は広岡の名をいってしたり顔に
小首を傾けた。事務所の硝子《ガラス》を広岡がこわすのを見たという者が出て来た。
....
「星座」より 著者:有島武郎
までの、やや血肥りな腕に美しい線を作って、ほほ笑んだ瞳をそのままこちらに向けて、
小首をかしげるようにしたその姿は、自分のいいだした言葉、しようとしていることを、....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
れ。」 と見返りもしないで先に立って、件の休憩室へ導いた。背に立って、ちょっと
小首を傾けたが、腕組をした、肩が聳えて、主税は大跨に後に続いた。 窓の外は、裾....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
くすと笑う。 「笑うな、真面目に真面目に、」と頬被がまた声を掛ける。 差配様が
小首を傾け、 「時に、もし、迷児、迷児、と呼んで歩行きますが、誰某と名を申して呼....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
ですぜ、野郎の方で、はあと溜息をついて女児の膝に縋るようじゃあ、大概の奴あそこで
小首を傾げまさ。汝のためならばな、兜も錣も何ちも用らない、そらよ持って行きねえで....
「多神教」より 著者:泉鏡花
、風に釘を打てば何になる、はてな。 禰宜 はてな、はてな。 村人らも引入れられ、
小首を傾くる状、しかつめらし。 仕丁 はあ、皆様、奴凧が引掛るでござりましょうで....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
二階を置いて、吻と息をすると……、 「転寐に……」 と先ず口の裏でいって見て、
小首を傾けた。杖が邪魔なので腕の処へ揺り上げて、引包んだその袖ともに腕組をした。....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
とを尋ねるまでもなく、お縫は半ば独言。蓋のあいた柳行李の前に立膝になり、ちょっと
小首を傾けて、向うへ押して、ころりと、仰向けに蓋を取って、右手を差入れて底の方か....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
。 「え、おかみさん。」 頸を垂れて屈託そう、眉毛のあとが著るしく顰んで、熟と
小首を傾けたり。はてこの様子では茶も菓子もと悟ったが、そのまま身退くことを不得。....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
う色は無かったのである。 「待って下さい、」とこの時、また右の方の衣兜を探って、
小首を傾け、 「はてな、じゃあ外套の方だった、」と片膝立てたので。 杉、 「私....