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小骨
「小骨〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
小骨の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
鼻をぴくつかせている。 「また鱧《はも》を食わせるな。毎日鱧ばかり食って腹の中が
小骨だらけだ。京都と云う所は実に愚《ぐ》な所だ。もういい加減に帰ろうじゃないか」....
「魚の序文」より 著者:林芙美子
もち、小鯛《こだい》。」 彼女は猫《ねこ》のように魚の好きな女であった。どんな
小骨の多い魚でも、身のあるところをけっして逃《のが》さなかった。――僕は字引を金....
「二つの庭」より 著者:宮本百合子
ているドアのところから、洋装した一人の日本婦人が出て来た。非常に小柄で、やせて、
小骨の多い小鳥のようなからだつきだった。パルヴィン博士が、 「わたしの奥さんです....
「旅愁」より 著者:横光利一
こで沈没してみるのも、良かろうと思っているんだ。」
久慈は切り裂いた鮭の中から
小骨を抜きとりながら、
「これ日本のかもしれないぜ。今日のは馬鹿に美味いや。千鶴....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
たり》に美しい草が一本芽を出しいた。採って持ち行くに日熱くて枯れそうだから、鳥の
小骨を拾いその中に入れ持ち行くと、尊者の手の徳に依ってその草速やかに長じて骨の両....
「父」より 著者:金子ふみ子
させる時も、父は決して迂闊には与えなかった。肉は食べやすいように小さくむしり魚は
小骨一つ残さず取りさり、ご飯やお湯は必ず自分の舌で味って見て、熱すぎれば根気よく....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
はこの船を、それらの人の注意をそらすためにも、わざわざ遠くを走らせているのです」
小骨を抜いてお肴《さかな》を食べさせるような説明ぶりですから、お松もなるほどと感....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
わす? 赤のまんまくわしょ。 魚《さかな》をやるか? 鯛魚《たいとと》くわしょ。
小骨がたあつ、 噛《か》んでくわしょ…… ここは何処《どこ》の細道じゃも唄《....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
なものでした。支那西域の庫魯克格の淡水湖に限って住んでいる、※々という毒ある魚の
小骨の粉末を香に焚いてそれで人間を麻痺させるなんて実際あなたはお怜悧でした。そう....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
の男女が不思議そうに僕らへ注目した。外の客も多く鱚のフライを食べている。しかるに
小骨が多くってなかなかフークの手におえん。中には尾へ手をかけてむしり始めたものも....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
た時分に酢へ十分間ほど漬けて丁寧《ていねい》にすればそれを取出して皮を剥《は》ぎ
小骨を抜いて甘酢をかけて山葵《わさび》を載せて出します。甘酢は煮きり味淋へ酢と塩....
「治郎吉格子」より 著者:吉川英治
人差指で、抓んで食うようなわけには行かない男だと彼は睨んだ。相当に、小悪党らしい
小骨が歯にも、舌にも、かかりそうに思われた。 「――こんにちは。親方さん、元結は....