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「小高い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

小高いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「将軍」より 著者:芥川竜之介
兵站監部《へいたんかんぶ》の将校たちは、外国の従軍武官たちと、その後《うしろ》の小高い土地に、ずらりと椅子《いす》を並べていた。そこには参謀肩章だの、副官の襷《....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
》へ進みはじめた。僕はＭには頓着《とんじゃく》せず、着もの脱ぎ場から少し離れた、小高い砂山の上へ行った。それから貸下駄を臀《しり》の下に敷き、敷島《しきしま》で....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
出た。そして農場の鎮守《ちんじゅ》の社の傍の小作人集会所で女と会った。 鎮守は小高い密樹林の中にあった。ある晩仁右衛門はそこで女を待ち合わしていた。風も吹かず....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
。（と強く言って）……渡らずと、橋の詰をの、ちと後へ戻るようなれど、左へ取って、小高い処を上らっしゃれ。そこが尋ねる実盛塚じゃわいやい。」 と杖を直す。 安....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
根も、いずれもこの水の淀んだ処で。畑一つ前途を仕切って、縦に幅広く水気が立って、小高い礎を朦朧と上に浮かしたのは、森の下闇で、靄が余所よりも判然と濃くかかったせ....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
、鳥の羽で撫でられるように、さらさらと――袖が鳴った。 落葉を透かして、山懐の小高い処に、まだ戸を鎖さない灯が見えた。 小村さんが、まばらな竹の木戸を、手を....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
く袖を圧える。 そのまま、立直って、徐々と、も一度戻って、五段ばかり石を築いた小高い格子戸の前を行過ぎた。が溝はなしに柵を一小間、ここに南天の実が赤く、根にさ....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
踵まで、で、下は草です。結句、泥濘を辷るより楽だ。占めた、と引返しながら見ると、小高いからずっと見渡される、いや夥しい、畦が十文字に組違った処は残らず瀬になって....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
るが、この度見ると、可なり広いその家構の跡は、草｜茫々、山を見通しの、ずッと裏の小高い丘には、松が一本、野を守る姿に立って、小さな墓の累ったのが望まれる。 由....
「霊界通信　小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
く引取って了われました。そして間もなく、私の住宅として、海から二三｜丁引込んだ、小高い丘に、土塀をめぐらした、ささやかな隠宅を建ててくださいました。私はそこで忠....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
樹に隠れた時、夫人の前には再びやや急な石段が顕われた。軽く喘いで、それを上ると、小高い皿地の中窪みに、垣も、折戸もない、破屋が一軒あった。 出た、山の端に松が....
「雪霊続記」より 著者:泉鏡花
ちとりの吹雪の中に―― 最後に倒れたのは一つの雪の丘です。――そうは言っても、小高い場所に雪が積ったのではありません、粉雪の吹溜りがこんもりと積ったのを、哄と....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
だったと言うのです。 振返って、一睨み。杜若の色も、青い虫ほどに小さくなった、小高い道に、小川が一条流れる。板の橋が掛った石段の上に、廻縁のきれいなのが高く見....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
のである。 見るから心も冷ゆるばかり、冷たそうな、艶のある護謨布を蔽いかけた、小高い、およそ人の脊丈ばかりな手術台の上に、腰に絡った紅の溢るるばかり両の膚を脱....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
山の上の墓地にして、まばらな松がおのずから、墓所々々の劃になる。……一個所、小高い丘の下に、蓑で伏せて、蓑の乱れたような、草の蓬に包んだ、塚ともいおう。塔婆....