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「少許〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

少許の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
浜菊」より 著者:伊藤左千夫
くれ給え」岡村はそういって、宿屋の帳附けが旅客の姓名を宿帳へ記入し、跡でお愛想に少許り世間話をして立去るような調子に去って終った。 予は彼が後姿を見送って、彼....
突貫紀行」より 著者:幸田露伴
烈《はげ》しくしていかんともしがたし。 二十七日、同じく頭痛す。 二十八日、少許《すこし》の金と福島までの馬車券とを得ければ、因循《いんじゅん》日を費さんよ....
旧主人」より 著者:島崎藤村
ました。奥様は朝に粧《つく》り、晩に磨《みが》き、透き通るような御顔色の白過ぎて少許《すこし》蒼《あお》く見えるのを、頬の辺へはほんのり紅を点《さ》して、身の丈....
藁草履」より 著者:島崎藤村
わし》魂消《たまげ》た。全然《まるで》、見違えるように。しかし、お前《めえ》には少許《ちっと》も肖《に》ていねえだに」 「私《わし》にかえ。彼奴は私に肖ねえで、....
」より 著者:島崎藤村
れません……是方に居ても話相手は無し、ツマリませんからね……私は信濃という国には少許も興味が有りません」こう記者が答えた。 西はめずらしそうに、牛額と称する蕈....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
り、貧乏教会の牧師で自身の貯金も使い果した後は、随分惨な生活でした。私は個人的に少許の出金を気まぐれに続けたばかりで、会堂には一切手も足も出しませんでした。下曾....
風流仏」より 著者:幸田露伴
まれて有福に世を送るべし、人は人、我は我の思わくありと決定し、置手紙にお辰|宛て少許の恩を伽に御身を娶らんなどする賎しき心は露持たぬ由を認め、跡は野となれ山路に....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
匂いを持っていない。もちろん蝿と蚊は貧乏以外の場所へ遠慮なく出入りすることが、多少許されているからであるかも知れない。そして家の中に蚊がいても、客に対してさほど....
連環記」より 著者:幸田露伴
終前半月、已に食はず、但香を焚いて危坐し、黙して仏経を誦す、沈香の煎湯を以て時々少許を呷る、神識乱れず、衣冠を正し、奄然として化し去ると。....
野道」より 著者:幸田露伴
晩れ出の芽とを採ってくれた。双方共に苦いが、蕗の芽は特に苦い。しかしいずれもごく少許を味噌と共に味わえば、酒客好みのものであった。 困ったのは自分が何か採ろう....
松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
って居りますから、何十両だか勘定の分らん程ざくりと掴出して小菊の紙に包み、 山「少許りですが、もう行きますからお茶代に」 と出して出掛けまする。 娘「これはま....
春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
コッコという類だ。 おばこ節の歌詞は田舎情緒の方言丸出しの無邪気なものだ。その少許を左に書き留めておく。 おばこ来るかやと田圃の外んづれまで出て見たば、コバエ....
特殊部落と細民部落・密集部落」より 著者:喜田貞吉
謂密集部落の状態をなし、しかも他に営業の自由を択ぶに困難なる彼らは、所謂独占業と少許の特権とのみを以てしては、生活の困難を来し、漸次細民の数を増加するに至るのは....
「特殊部落研究号」発行の辞」より 著者:喜田貞吉
からまず旧穢多に関するものを主として、所謂非人に関すものの如きは、比較の必要ある少許のほかはことごとくこれを省略したり。されば余輩の発表は、もとより本号載すると....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
大正四年七月二十四日午後七時三十分、汽車にて上野発。翌朝九時二十分、魚津着。少許の準備と昼食の後十一時三十分、出立。暑さ甚し。途中|屡々休憩して、午後二時三....