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尚も
「尚も〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
尚もの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「捨児」より 著者:芥川竜之介
母親でございますが、」と、思い切ったように云ったそうです。これにはさすがの日錚和
尚も、しばらくは呆気《あっけ》にとられたまま、挨拶《あいさつ》の言葉さえ出ません....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
書で、 ――折しも月は、むら雲に、影うす暗きをさいわいと、傍に忍びてやりすごし、
尚も人なき野中の細道、薄茅原、押分け押分け、ここは何処と白妙の、衣打つらん砧の声....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
ろう」 博士の説明をうけて、僕は感歎のあまり、首を前にふるばかりだった。博士は
尚も言葉を継ぎ、 「ベランは火星以外に生物が棲んでおらぬなどといっていたが、宇宙....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
掘壕をもっと深く、かつ横穴式に掘ってみる事、もう一つは疎開のことを考え直すこと。
尚もし家屋が倒壊すれば、その資材を使って、地下家屋を建てる事にすればよろしい。 ....
「恐しき通夜」より 著者:海野十三
じゃない。なにか故障を起したのかなとも考えたので、儂は方向舵を静かに廻しながら、
尚も注意していると、どうも故障とは様子がちがう。一機が他の一機を執拗に追いかけて....
「階段」より 著者:海野十三
てみた。だがそこには長身の友江田先生の外になにものも見当らなかった。僕はしばらく
尚も遠方へ眼をやったが矢張り何者もうつらなかった。そのときハッと或ることに気付い....
「科学が臍を曲げた話」より 著者:海野十三
と思ったのです。近づけるに従って、指の股の辺がスースーと涼しくなりました。それを
尚も近づけると、指が急に熱くなり始めました。それを辛抱していますと、急に手が吸い....
「間諜座事件」より 著者:海野十三
子を揃えて踊っているのであるが、何だかすこし様子が変である。 どう変なのかと、
尚も仔細に観察をしていると、成程一つのおかしいことがある! その踊り子は頭を左....
「キド効果」より 著者:海野十三
った。そして遂に黒インキのような絶対暗黒がやって来た。その絶対暗黒という魔物は、
尚も恐ろしい力で室内の空間を圧し拡げていった。 レールの上に狂奔乱舞する車輪の....
「疑問の金塊」より 著者:海野十三
。もう遅いよとナ。すると、それはいかん、是非こっちへ売れという。それは駄目だと、
尚も突っぱねると、向うは躍気さ。こっちへ買い戻さねば親分に済まねえ。売らないとい....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
室を調べてみると、ベッドはたしかに人の寝ていた形跡があるが、ポントスは見えない。
尚もよく調べると、床の上に人血の滾れたのを拭いた跡が二三ヶ所ある。外にもう一つ可....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
々に、うつりかわって、北満、朝鮮国境からの通信が、いつもの二倍になり三倍になり、
尚もグングン殖えて行った。電信機は、火のように熱して来た。側に立っている通信兵員....
「空中墳墓」より 著者:海野十三
良氏のつくった穽に、うまくかかってしまいました。松風号は風間氏の遺骸を載せたまま
尚も航空をつづけたのです。其の行方は地球上の何処にも発見せられなかったようでした....
「崩れる鬼影」より 著者:海野十三
は、こんどは後から伸びあがって、飛んでゆく人の姿を見つめていました。白衣の人は、
尚もフワフワと飛びつづけてゆきます。そしてだんだん高く昇ってゆきます。深い谿が下....
「殺人の涯」より 著者:海野十三
「とうとう女房を殺してしまった」 私は
尚も液体を掻き廻しながら、独り言を云った。 大きな金属製の桶に、その白い液体が....