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就寝
「就寝〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
就寝の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
らむ火酒をあおりつけるようにそのしいたげを喜んで迎えた。
ある夜葉子は妹たちが
就寝してから倉地の下宿を訪れた。倉地はたった一人でさびしそうにソウダ・ビスケット....
「失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
に、三人の来島者を訊問することになったが、二人の男は、何れも杏丸と同じく、昨夜は
就寝後室を出ず、今朝騒がれて初めて知ったというのみの事で、黒松九七郎という癩患者....
「親子」より 著者:有島武郎
入れる手伝いをした後、父の前に座を取って、そのしぐさに対して不安を感じた。今夜は
就寝がきわめて晩くなるなと思った。 二人が風呂から上がると内儀さんが食膳を運ん....
「鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
例になっていた。そのときは人員の点呼をし、健康状態がよいかどうかをたしかめた上、
就寝させられることになっていた。 果してその夜も、常例の点呼が始まった。 「第....
「電気看板の神経」より 著者:海野十三
は当時、鰥夫暮しで、二人のよく睡る子供と一緒に睡っていたというし、吉公の方は一時
就寝、十時起床で、その間、寝ていたには相違ないが、それを証明するに途のない独り者....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
。 五日ほどして起きたり。 ところが七月七日の午前一時頃痰が赤くなりはじめ、
就寝せるも睡りやらず、しきりに痰出でて目がさめ、そのうちに午前四時頃喀血す。従来....
「デパートの絞刑吏」より 著者:大阪圭吉
い。そして昨晩、多分隠した首飾が気に懸ったのでしょう、宿直当番になった被害者は、
就寝前の十時頃、バルーンの様子を見るために屋上へ登ったのです。其処で彼は、穴の明....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
じめ閂穴の中に巧妙に細工した三稜柱形の木片を插入して置く。それがために銀行家は、
就寝前に鍵を下そうとしても閂が動かないので、すでに閉じたものと錯覚を起し、犯人の....
「獄中生活」より 著者:堺利彦
坐鈴が鳴る。薄暗い電灯がとぼる。それから二時間ばかりまた退屈すると、八時になって
就寝鈴が鳴る。そら来た!と大騒ぎで柏餅がゴロゴロと並ぶことになる。これがまあザッ....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
んでたちまち響いた。 けたたましい、廊下の話声を聞くと、山中温泉の旅館に、既に
就寝中だった学士が、白いシイツを刎ねて起きた。 寝床から自動車を呼んで、山代へ....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
なければとうていできぬ業だろうと思う。ただ、一人では会話ができないで困る。夕食後
就寝まで二時間余りある。その間はトルストイの小説集を読んでいる。 * こ....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
戻っても怪しまれる怖れは殆どないと申せましょう。もしもヒサの母が外出せず、中橋が
就寝したとせば、外から忍び入って、物盗りの兇行の如くに中橋を殺し、自分は朝方に呆....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
められて、窒息していたのである。 しかも、なお驚くべき事には、その扉は、前夜の
就寝の際に法水が鍵を下して、いまもその鍵は彼の手の中に固く握られているのであるが....
「独房」より 著者:小林多喜二
が、どんな医者であるかということになれば、それは全く別なことである。 夜、八時
就寝、たっぷり十一時間の睡眠がとれる。 俺だちは「外」にいた時には、ヒドイ生活....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
て密と紋床へ這戻り、お懶惰さんの親方が、内を明けて居ないのを勿怪の幸、お婆さんは
就寝てなり、姐さんは優しいから、いたわってくれた焼酎を塗って、上口の火鉢の傍へ突....