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「就職口〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

就職口の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
競馬」より 著者:織田作之助
科者になってしまったように考え、もはや社会に容《い》れられぬ人間になった気持で、就職口を探しに行こうとはせず、頭から蒲団《ふとん》をかぶって毎日ごろんごろんして....
首を失った蜻蛉」より 著者:佐左木俊郎
ざむ》かない意志だろう。生きるための唯一の路だろう……。 俺《おれ》もこのまま就職口が見つからなかったら、屠殺場に行って豚殺しをやる気になるだろう……と彼は思....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
を寒風が吹き渡っていた。豹一は寒そうに身を縮めたしょんぼりした恰好で、街から街へ就職口を探して空しく、歩きまわっていた。 昭和十六年の常識からはちょっと考えら....
社会時評」より 著者:戸坂潤
それに満州国当局の後援のあるホテルであったとしたなら、誠に肩身の広い申し分のない就職口と云わざるを得ない。 処が三十二人の内十四人を除いて十八人が、ションボリ....
灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
たわけだから私には私独特の云いわけがあるのだ。私は、父母に内緒で新聞広告を切抜き就職口を探して来た。履歴書をかいて、ある羅紗問屋に面会にゆき給仕になった。もう、....
老夫婦」より 著者:黒島伝治
近の畑まで、清三の病気のために書き入れなければならなくなった。 清三は卒業前に就職口が決定する筈だった。両人は、息子からの知らせが来るのを楽しみに待っていた。....
」より 著者:織田作之助
した。 その夜は千日前の安宿に泊った。朝、もう新聞社へ行く気もしなかった。毎日就職口を探して歩いたが、家出した男を雇ってくれるところもなかった。月給袋のなかの....
我が人生観」より 著者:坂口安吾
あってくれませんでした。こうした父と少しでも離れたい気持、この二つの点から、私は就職口を探しました」 一定の小遣しかくれず、使いすぎて請求してもとりあってくれ....
貞操問答」より 著者:菊池寛
った。 新子が、婉曲に断ろうとするのを、準之助氏はてんで受けつけず、 「いや、就職口を探せとおっしゃるのなら、僕はどうにでもして探しますが、しかし現在の女事務....
株式仲買店々員」より 著者:ドイルアーサー・コナン
のことを想像してごらんなさい。何者かがあなたの代りになって、あなたがとっておいた就職口に行くのです。無論、たくらみはうまく行くでしょう。その男はあなたとは似ても....
光は影を」より 著者:岸田国士
京野等志も、じつと家のなかに落ちついてはいられなかつた。 あちこちへ頼んである就職口もなかなかラチがあかぬので、思いきつて肉体労働でもしようかと思つている。父....
愛の為めに」より 著者:甲賀三郎
などに用のある人間じゃあないのだ。毎日毎日疲れた足を引摺って、減った腹を抱えて、就職口を探している哀れな青年なんだ。父親と衝突さえしなければ、今年あたりは学校を....
雀が森の怪異」より 著者:田中貢太郎
へ着くなり神中のことを聞いた。 神中は仙台の彼の下宿へ彼を訪うた日の数日|前、就職口を頼んであった友人を岐阜市内の銀行に訪うたのであった。神中はその前月県庁を....
女の怪異」より 著者:田中貢太郎
神が平常に復して来た。精神が平常に復して来ると安閑としてはいられなかった。政雄は就職口を探さなくてはならなかった。政雄はまた外に出るようになったが、大きい長い舌....
青い風呂敷包」より 著者:大倉燁子
ましたが、大変なお金持ちで、譲さんはそこの一人息子ですわ。商船学校を今年卒業し、就職口も定りかけているんですの。柔道四段の強い人のようでもなく可愛いい顔をしてい....